財務省が20日発表した2022年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、ウクライナ侵攻を続けるロシアとの貿易収支は1兆2006億円の赤字(前年度9701億円の赤字)だった。輸出額は大幅に減少する一方、資源価格高騰により輸入額は小幅な減少にとどまった。経済制裁下でも日本からの資金流出が拡大した。
輸入額は前年度比6.3%減の1兆7247億円。品目別では、原油や非鉄金属などが減少したが、ウクライナ侵攻に伴う資源高で、液化天然ガス(LNG)は44.0%増の6755億円、石炭は15.3%増の4147億円となった。
輸出額は39.8%減の5241億円に落ち込んだ。自動車部品や建設用・鉱山用機械が減ったほか、半導体などの電子部品も大幅に減少した。
米欧など西側諸国はウクライナ侵攻以降、ロシア産原油やハイテク製品の輸出入規制などの経済制裁を相次いで実施している。日本の対ロ貿易赤字拡大について、財務省は「複合的な要因が重なり合っている」(関税局)と説明している。