財務省が8日発表した2022年の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支の黒字額は、前年から10兆1478億円(47.0%)減少し、11兆4432億円となった。減少額は過去最大。資源高と円安で貿易収支が赤字に転落したことが主因で、経常黒字額は14年以来8年ぶりの低水準に落ち込んだ。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は15兆7808億円の赤字(前年は1兆6701億円の黒字)。原油などの資源価格が高騰し、赤字幅は過去最大となった。輸送や旅行などのサービス収支は5兆6073億円の赤字(同4兆2316億円の赤字)だった。
同時に発表した22年12月の経常収支は、前年同月比90.9%減の334億円の黒字だった。黒字は2カ月連続。
◇2022年の国際収支
22年 前年
経常収支 114,432 215,910
貿易・サービス収支 ▲213,881 ▲25,615
貿易収支 ▲157,808 16,701
輸 出 986,903 822,837
輸 入 1,144,711 806,136
サービス収支 ▲56,073 ▲42,316
第1次所得収支 353,087 265,814
第2次所得収支 ▲24,773 ▲24,289
(注)単位億円。▲は赤字