中国、迫る「超高齢社会」=経済成長の足かせにも

時事通信社
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中国、迫る高齢化社会
〔写真説明〕中国の農村で家の前に座る高齢者=7日、山東省泰安(AFP時事)

 【北京時事】人口減に転じた中国では高齢化も同時に進む。2021年には全人口の14%超を65歳以上が占める「高齢社会」に突入。国連の推計では、34年には21%超の「超高齢社会」になる。一方、15~64歳の生産年齢人口は27年をピークに減少するとみられ、社会の高齢化は経済成長の足かせになりかねない。少子化とともに当局の悩みとなっている。

 国家統計局によると、22年の65歳以上の人口比率は14.9%と過去最高を更新した。高齢化に伴って医療や年金など社会保障関連費は年々増加し、財政を圧迫。江蘇省は高齢化を踏まえ、定年退職年齢の実質的な引き上げに踏み切った。22年秋に開催された共産党大会でも、年金受給開始年齢の引き上げにつながる定年退職年齢の「段階的引き上げ」を目指す方針が確認された。

 もっとも「痛みを伴う改革」に対する市民の不満は根強い。北京市内の大学で教壇に立つ女性教授は数年後に定年を控え、引き上げには「反対」と語気を強める。
 国政選挙のない中国の政治体制だが、定年退職年齢の引き上げなど不人気な政策の推進は社会の混乱を招き、ひいては共産党一党支配の動揺につながる可能性がある。一方、実施を先送りすれば問題の深刻化は必至だ。

 日本は高齢化対策で先行しており、中国当局は日本の取り組みや技術に注目しているといわれる。北京の日系企業関係者は「日本の企業にとってビジネスチャンスが広がっている」と話した。

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