内閣府が11日発表した昨年11月の景気動向指数(2015年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が99.1となり、前月比0.5ポイント低下した。悪化は3カ月連続。世界経済の減速で半導体製造装置などの出荷が減ったほか、米国や中国を含むアジア向けの輸出も低下した。基調判断は「改善」に据え置いた。
暖冬の影響で冬物衣類の売れ行きが鈍く、小売業の商業販売額も低下。一致指数は8系列の経済指標のうち6系列がマイナスに寄与した。
「ゼロコロナ」政策を昨年12月に緩和した中国での新型コロナ感染者の増加については、「今後影響してくることもあり得る」(担当者)と指摘している。
数カ月先の景気を示す先行指数は1.0ポイント低下の97.6で、2カ月ぶりに悪化した。家具・家電をはじめとした耐久消費財などで幅広く在庫が積み上がっていることが低下に寄与したほか、相次ぐ値上げの影響で消費者心理の明るさを示す消費者態度指数も低下した。