昨年M&Aが過去最多=デジタル化や事業承継で
企業の合併・買収(M&A)助言会社レコフ(東京)の集計によると、2022年に日本企業が関わったM&Aの件数は前年比0.6%増の4304件と、調査を始めた1985年以降で最多だった。デジタル化を狙ったIT分野への投資が活発だったほか、経営者の高齢化に伴う事業承継ニーズも全体を押し上げる要因となった。
最も大きかった案件は、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)による日立物流の買収(6714億円)。武田薬品工業の米医薬品開発ベンチャー子会社買収(5467億円)なども目立った。
オリックスによる化粧品大手ディーエイチシー(東京)買収など、事業承継案件は年間748件。集計データのある07年以降で最も多くなった。
一方、M&Aの総額は前年比31.6%減の11兆4356億円にとどまった。ロシアによるウクライナ侵攻で海外情勢の不透明感が高まり、大型案件の交渉が停滞したとみられる。