財務省が9日発表した2022年度上半期(4~9月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支の黒字額は前年同期比58.6%減の4兆8458億円となった。上半期ベースでは比較可能な1986年度以降、過去最大の減少幅。資源価格の高騰や円安の進行で輸入額が大きく膨らんだことが響いた。
上半期の輸入は47.1%増の58兆7556億円。原油や石炭、液化天然ガス(LNG)の輸入額が大幅に増えた。輸出は21.3%増の49兆5222億円。急速な円安を追い風に主力の自動車が堅調だった。
この結果、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は9兆2334億円の赤字(前年同期は8912億円の黒字)に転じた。
配当や利子収入などを示す第1次所得収支は25.2%増の18兆2332億円の黒字。輸送や旅行などのサービス収支は3兆1639億円の赤字(同2兆6079億円の赤字)だった。
一方、9月の経常収支は前年同月比45.0%減の9093億円の黒字となった。
◇22年度上半期の国際収支
22年度上半期 前年同期比%
経常収支 48,458 ▲58.6
貿易・サービス収支 ▲123,973 ―
貿易収支 ▲92,334 ―
輸 出 495,222 21.3
輸 入 587,556 47.1
サービス収支 ▲31,639 ―
第1次所得収支 182,332 25.2
第2次所得収支 ▲9,901 ―
(注)単位億円。▲は赤字または減、―は比較できず