【北京時事】中国税関総署が9日発表した5月の貿易統計によると、輸出は前年同月比16.9%増の3082億ドル(約41兆円)だった。伸びは前月の3.9%増から急拡大。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、経済活動の正常化が進んだ。
輸入は4.1%増の2294億ドル。この結果、貿易黒字は787億ドルに膨らんだ。
中国有数の貿易拠点となっている上海市では、コロナ対策で導入された厳格なロックダウン(都市封鎖)が5月下旬以降、徐々に緩和された。これに伴い、多くの工場は操業を再開している。
しかし、「サプライチェーン(供給網)の混乱は続いている」(日系自動車メーカー)といい、輸出入ともに年間で約3割伸びた2021年並みの増加ペースを回復するには、時間がかかりそうだ。
日本との貿易は、輸出が約4%増、輸入が約14%減。ウクライナ侵攻で日米欧などから制裁を受けるロシアへの輸出は約9%減、輸入は約80%増だった。