Jフロント、パルコをTOBで子会社化、最大で出資比率65%弱に
大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ.フロントリテイリングは7月5日、都市型商業施設を運営するパルコを株式公開買付(TOB)で子会社化すると発表した。
J.フロントは現在、パルコ株の33.22%を保有する筆頭株主だが、TOBにより出資比率を最大で64.97%にまで引き上げる。TOBの期間は7月9日から8月20日まで。
パルコはこのTOBに賛同することを表明しており、両社は資本・業務提携を結ぶことで合意した。また、パルコの転換社債を保有する日本政策投資銀行は、転換社債をすべて株式に転換(転換後の保有割合は18.71%)した上でTOBに応じることで合意しており、J.フロントがパルコ株の過半数を握るのは確実だ。
パルコの筆頭株主だった森トラストは、パルコの第2位株主に浮上したイオンと共同で経営体制の刷新を迫るなどしていたが、今年3月、持ち株をすべてJ.フロントに売却。それ以後、J.フロントとイオンが別々にパルコとの提携協議を進める状況が続いていた。
今後は約12%の株式を持つイオンの出方が注目される。