物流イノベーション!
商品を安定供給することが絶対的使命である小売業にとって、物流はビジネスの根幹をなす重要な領域である。コロナ禍ではEC・ネットスーパーへの需要が急増し、物流インフラの増強が喫緊の課題となっている。ただ、食品小売業においては、“戦略的な物流施策”を自社で大々的に展開し物流変革を起こそうという機運は、他の業態に比べてやや乏しかった感もある。コロナ禍を経て経営環境がめまぐるしく変化するなか、物流を経営戦略そのものと位置づけ、サプライチェーン全体を見据えた“物流イノベーション”の実現が求められる。その先には、コストセンターではなく、新たな収益を生み出すプロフィットセンターとしての物流体制を構築することができるかもしれない。先進企業の取り組みや敏腕コンサルタントの提言から、「食品小売の物流」の可能性を考察する。