服を売らないリアル店舗「似合うラボ」を、ZOZOが経営戦略の軸に置く重大な理由
ZOZOの経営戦略の肝となる「似合うラボ」
似合うラボは、ZOZOが掲げる経営戦略「MORE FASHION × FASHION TECH 〜 ワクワクできる『似合う』を届ける ~」を実行するための取り組みとなる。ZOZOは似合うラボを出店することで、「買う」というプロセスよりもさらに上流の部分にアプローチしたいという。最終的には「ファッションを『買う』ならZOZO」から「ファッションの『こと』ならZOZO」への進化をねらう。
2023年1月31日に行われた2023年3月期第3四半期の決算発表では、ZOZO代表の澤田宏太郎氏は以下のように述べていた。
「今後はたとえば『季節の変わり目』といったタッチポイント(顧客と企業との接点)にZOZOが深く関わっていきたい。そのために必要なのは、お客さまに似合う服を提案できようになること。お客さまの好みや悩み、カウンセリングや提案内容といったデータの積み重ねがEC上の提案に活き、消費者の購入機会の増加や新しい購買体験につながる」(澤田氏)
決算発表では、「『似合う』というテーマをここまで愚直に研究している企業はない」と自評しながらも、ZOZOにとって「似合う」はまだ研究段階にあると説明した。今後は、似合うラボで得たデータや経験をZOZOTOWN」やファッションコーディネートアプリ「WEAR」といった既存サービスに活かしたい考えもあるそうだ。
最後に「『似合う』が伸びしろのある領域であることは確信している」と前向きに語った。