注目のキーワード
  • x
  • facebook
  • rss

EC業界の生成AI活用事例1 文章作成からデザインまで大幅な工数削減を実現!

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)

ECサイトデザインの生成AI活用

 生成AIは、ECサイトのデザイン作成にも活用されつつあります。従来、ECサイトのデザインには多くの要素を考慮し、方向性が固まった後にデザイナーに発注して複数のデザイン案を作成してもらうという流れが一般的でした。

 しかし、現在では「Create.xyz」など、AIを活用したサイトデザインツールが登場しています。これらのツールでは、たとえば「女性用コスメ・小物販売のECサイト」という指示を入力すると、自動で複数のページがヘッダー・ファーストビュー・フッターに至るまで自動生成されます。

 このツールのメリットは、自動でデザインが生成される点にありますが、実際の運用においては70点から80点のデザインが生成され、その後人間が手直しを加えることで素早くサイトデザインが完成できる点にあります。このアプローチは、とくに小規模な店舗など、時間やコストをかけたくない場合に最適です。

 さらに、AIはサイト訪問者の動向を分析し、どの部分を改善すべきかを指摘することも可能です。これにより、ECサイトのユーザー体験を向上させるための自動化された改善が実現されつつあります。

 たとえば、ヒートマップを活用してサイト内での回遊状況を可視化し、そのデータに基づいてページの変更点を自動で提案し、実行することができるツールも登場しています。このような技術は、EC業界において今後さらに大きな可能性を秘めています。

 このように、EC業界における生成AIはクリエイティブで多くの時間を要する初期作成のリソースコストを大幅に削減することが可能です。その分、膨大なテキストコンテンツを作成したり、クオリティアップのための手直しにより多くの時間を割くことが可能になるでしょう。

 今回ご紹介した生成AIの活用例はまだまだほんの一部です。生成AIは、しっかりと情報を学習させることで商品の魅力を伝えたり、デジタル上での接客をリッチにするなどまだまだ大きな可能性を秘めています。

 次回からは、そんな売上アップや顧客満足度を向上させるような生成AIの活用法をご紹介しましょう。

+2
1 2

記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2025 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態