アークス
売上高は過去最高の6000億円超も 膨らんだ販管費を吸収できず増収減益
25年2月期は増収減益だった。売上高・売上総利益ともに前年を超えたが、売上総利益率は競合他社との価格競争が影響し微減。さらに、最低賃金の引上げによる人件費上昇や水道光熱費の負担増で、販管費が増加。加えて減価償却費の増加も営業減益に影響を与えた。
商品戦略としては、グループのPBであるCGC商品の中でも、価格訴求力の高い「ショッパーズプライス」や「断然お得」で価格政策を強化した。また、米や野菜の価格高騰に対応し、冷凍野菜や米飯、冷凍めん類、ミールキットなどの簡便商品の品揃えにも力を入れた。一方でラルズでのカインズオリジナル商品の販売、ベルジョイスでのお魚屋さんのお惣菜など価格訴求だけではない付加価値のある差別化にも取り組んでいる。販促面では、ポイント会員制度の充実、アプリキャンペーンなどデジタル販促にも力を入れた。
出店戦略としては、店舗展開は24店舗の改装など既存店の活性化に注力、そのうち7店舗はスーパーアークスへの業態変更を行った。他方で、ネットスーパー事業は保育園や介護施設など法人需要への対応を拡大したことで、米や酒類、布団などの販売が好調だった。配送拠点の拡大やAmazonとの協業も顧客基盤の獲得・強化に寄与し、売上は前期比45%増と順調に拡大している。
26年2月期も、生産者や地域メーカーと連携した品揃えの拡大やPB商品のさらなる拡販を行い、価格の安さと新鮮さ、おいしさにこだわった商品政策を展開する。グループのシナジーを強化する取り組みとして、商品調達における商流の統一を推進、店舗間運営情報共有会や物流改革プロジェクトなど好事例を積極的にグループ内に横展開し、営業力の強化に努める。また、グループアプリの決済機能強化、電子棚札の導入、基幹システムの切り替えなど売り場やバックオフィスの自動化、省力化を進める。出店計画としては、スーパーアークスへの業態転換を中心に24店舗の改装と1店舗の新規出店を予定している。以上の取り組みにより26年2月期は増収増益を見込む。
代表取締役社長 : 横山 清
売上高 | 売上高 総利益率 | 売上高 営業利益率 | 売上高 販管費率 | 売上高 経常利益率 | 売上高 当期純利益率 |
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591,557百万円 | 25.2% | 2.8% | 22.4% | 3.1% | 1.9% |
決算期:2024年2月 / 連結