小売業の倒産件数、20年は14.3%減と過去30年で最少
東京商工リサーチの調べによると、2020年の小売業の倒産(負債1000万円以上)は前年比14.3%減の1054件となり、1991年以降の過去30年間で最少を記録した。18年から2年連続で倒産が増えていた小売業界だが、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要で様相が一変した。
外出自粛や在宅勤務で巣ごもり需要が拡大した結果、各種食料品小売業は38.9%減の36件、酒小売業は26.9%減の19件、飲食料品小売業は22.7%減の244件となるなど、倒産件数が大幅に減った。
新型コロナの感染が広がる直前は、人件費の上昇や消費増税の影響を受け、19年7〜9月は前年同期比29.3%増の361件、10〜12月期も12.6%増の312件と倒産が急増していた。20年1〜3月期も2.2%増の277件と増勢が続いていたが、コロナ対策としての政府の支援策が経営を下支えしたこともあり、4〜6月期(9.4%減)から減少に転じた。
上場企業の倒産は、5月のレナウン(負債138億7900万円)の1件だけだった。