パン食が弱含み コロナ後の朝食と夕食で増えている「食べ物」とその理由は?
朝食、夕食の「和食」化にチャンスあり!「保存可能」「高栄養価」「特徴ある味付け」がポイントに
新型コロナウイルスの影響により消費者の実際の食卓はどのように変わっているのだろうか。そこで、共同印刷(東京都/藤森康彰社長)が運営する、毎食の画像とアンケート調査をもとに、消費者のリアルな食卓を分析するマーケティングサービス「リア食」のデータから、総菜の利用動向の変化や、今後の総菜開発のヒントを探る。
コロナ禍の食卓における4つのキーワード
「リア食」では、全国の一般消費者モニター約6000人から収集した朝食・昼食・間食・夕食・夜食の画像とアンケートへの回答を分析し、メニューの登場頻度や組み合わせ、食べる人の属性など、消費者の日常の食卓を可視化するとともに、各メニューが食卓に並ぶ理由などを深掘りしている(※注)。
※注:「リア食」のモニター詳細:登録者数は全国の一般消費者6050人(2020年6月30日時点)。男女比はおよそ1:2で、30~40代の比率が約6割。月間アクティブモニター数は約1500人
2020年1~4月に実施した「新型コロナウイルス影響の簡易食卓調査」では、就業者のモニター1178人から平日の食卓のデータ17万7157件(注:1食1件とカウント)を収集。この膨大なデータをもとに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う食卓の変化について分析した。同調査においてコロナ禍での食卓の変化の特徴として浮かび上がってきたのが、「不安」「ストレス」「簡便」「コストパフォーマンス」という4つのキーワードだ。
新型コロナウイルス感染拡大当初の3月には、感染リスクへの「不安」が増大。栄養バランスのよい食事を重視することで免疫力を高め、感染予防に努めようとする傾向が強まった。また、なじみのある好きなものを食べて楽しみ、「ストレス」を解消しようとする傾向もみられた。
全国で緊急事態宣言が発令され、外出自粛や在宅勤務が広がった4月は、食事全体で栄養バランスを保つよりも、納豆やヨーグルト、味噌汁など、「単品で比較的バランスよく栄養素を摂取できる食品を食べることで免疫力を高めよう」というアプローチへシフトした。加えて、在宅勤務に伴って自宅で昼食を食べる頻度が高まったことから、簡単な調理ですぐに食べられる「簡便性」がより重視されるようになった。
また、コロナ禍の長期化を見据えて家計の節約意識が高まり、「コストパフォーマンス」を重視する人も増えた。その一方で、刺激の少ない単調な日常生活での「ストレス」を解消すべく、魅力的な商品パッケージに惹かれて目新しい商品を衝動買いしたり、家庭でお菓子づくりをしたり、新しいレシピに挑戦したりするなど、日常の食卓に変化をもたらそうとする傾向もあった。そのほか、香辛料などを用いて味のバリエーションを増やし、家庭料理への飽きを防ごうとする工夫もみられた。
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