貿易収支5月は8334億円の赤字、輸出入ともリーマン以来の大幅減
[東京 17日 ロイター] – 財務省が17日発表した5月貿易統計速報は、貿易収支が8334億円の赤字で、2カ月連続の赤字。世界的に新型コロナウイルス感染拡大が広まったことを受け、輸出入ともに取引が大幅に縮小し、マイナス幅が拡大した。
輸出は前年同月比28.3%減でリーマン・ショック時の2009年9月以来の減少率。輸出の減少は18カ月連続で、減少率はロイターの予測中央値26.1%減より大きかった。
主な減少品目としては、自動車が前年比64.1%減、自動車の部分品が同57.6%減だった。
輸入は同26.2%減で、同じくリーマン・ショック時の2009年10月以来の減少率だった。前月よりマイナス幅は拡大。ロイターの予測中央値20.4%減より大幅な落ち込みとなった。主な減少品目は原粗油(同78.9%減)、航空機類(74.0減)だった。
対米輸出が大幅減少、中国からの輸入2カ月ぶりに減
米国向けの輸出は50.6%減で09年3月以来の減少率だった。主に自動車や航空機エンジン部品などの原動機、自動車部分品が減少した。輸入は27.5%減だった。
対米貿易収支は103億円の黒字で、黒字額としては過去最少。前年比で97.4%減少した。
一方、中国向けの輸出は1.9%減で5カ月連続の減少で、前月の4.1%減からマイナス幅は縮小。経済活動の再開や需要の持ち直しを受け、非鉄金属が伸びた。
中国からの輸入は同2.0%減で2カ月ぶりの減少。マスクなどの織物用糸・繊維製品が伸びたが、自動車の部分品や通信機が減少した。
国内の新型コロナの感染者数は4月頃のピーク時に比べて減少しているものの、世界的には感染第2波の到来も懸念される。財務省幹部は「新型コロナによる影響は、引き続き6月の輸出入にも表れるだろう」と述べた。