複数の選択肢から最適な案を選択する「決定分析」の技法

青木 英彦 (東京理科大学大学院教授)
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①複数の選択肢から最適な施策を選択する

 これまで見てきた「現状把握(SA)」「問題分析(PA)」に続き、今号では「決定分析(DA:Decision Analysis)」の技法を詳しく紹介したい。

 問題を定義し、その原因を的確に把握した後に求められるアクションは、精度の高い意思決定である。精度の高い意思決定を行うには、さまざまな選択肢を考慮したうえで、その中から最適な施策を選択しなければならない。

STEP1 決定のための目標を定める

 決定分析の最初のプロセスは、決定を行うための目標(=基準)を定めることである。「この決定は何を実現するために行うのか」を明らかにしたうえで、目標を定めていく。目標は、「絶対に必要な目標(絶対目標、MUST)」と「望ましい目標(希望目標、WANT)」の2つからなる。

中途採用のイメージ
決定を行うための目標は、絶対目標(MUST)と希望目標(WANT)からなる。絶対目標を満たしていない実施案は、検討することなく棄却する。本稿では中途採用を事例に説明した(写真はイメージ、portishead1/iStock)

 絶対目標は、その目標を満たさないのであれば、検討の余地もなく棄却されるという基準である。仮に、ある中途採用試験で「当業界で2年以上の管理職経験があること」という条件が付されていたとする。この2年以上が、絶対目標なのか、あるいは希望目標なのかは、何のために管理職経験が必要なのかによるだろう。たとえば、当該企業で

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記事執筆者

青木 英彦 / 東京理科大学大学院 教授

東京理科大学大学院 経営学研究科 技術経営専攻(MOT)教授。

1989年神戸大学経営学部を卒業し、野村総合研究所に勤務。野村證券インターナショナル(米国ニューヨーク市)、ゴールドマン・サックス証券、メリルリンチ日本証券、野村證券にて小売・EC担当証券アナリスト業務に従事。2020年9月より現職。1994年米国Duke大学Fuqua School of BusinessにてMBA取得。2018年神戸大学大学院経営学研究科後期課程修了、博士(経営学)。日本証券アナリスト協会検定会員、CFA協会認定証券アナリスト、日本小売業協会CIO研究会ステアリングコミッティ委員。同流通サプライチェーン政策研究会メンバー。21年12月より加藤産業株式会社社外取締役、23年6月より株式会社ワールド社外取締役

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