ディスカウンティングフォーマットに欠かせないマス・アイテムの育成

桜井 多恵子(チェーンストア経営システムコンサルタント)
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買い上げ点数を増やすマス・アイテム

 1品目が大量に売れるマス・アイテムは、ディスカウンティングフォーマットの品揃えの要である。

 言い換えると核となる商品だ。大量に売れるのはお客がその優位性を認め、繰り返し購入するからである。だから単に売上高を高める要因としてではなく、お客が他社ではなく自社を繰り返し利用してくれるスペシャリティの源泉と受け止めるべきである。マス・アイテムがリピート客の来店目的となるからだ。

 さらなる効果は買い上げ点数の向上である。チェーンストアを志向する企業のコンサルティングを担う日本リテイリングセンター(東京都)が作成した別表でわかるとおり、スーパーマーケット(SM)186社の買い上げ点数の平均値は11.4点である。しかしその内訳を見ると、最大は21.4、最小は5.1と格差が大きい。もちろん、店舗の売場面積が大きい企業ほど点数が多くなることは規模別の数値からわかるが、それだけが原因ではない。

 企業を個別に見るとそれ以外の要因として、①売価が他社より安いという定評がある、②短期特価・特売をしないEDLP(エブリデー・ロープライス)方式を採用、③マス・アイテムを数多く持っている、したがって④店全体の合計SKU数が少ないことが挙げられる。

 つまり、ディスカウンティングフォーマットの買い上げ点数が15点以上となり、全体の平均値を引き上げているのだ。

GMSの食品売場とSMは似て非なるものである(写真はイメージ)
マス・アイテムがリピート客の来店目的となる(写真はイメージ)

 別表では、

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