オランダ最大の小売企業「アルバート・ハイン」に今注目すべき理由
欧米に広く店舗を展開するオランダの小売大手アホールド・デレーズ(Ahold Delhaize)傘下で、オランドとベルギーを事業エリアとするアルバート・ハイン(Albert Heijn)。食品スーパー(SM)「アルバート・ハイン」、ハイパーマーケット「アルバート・ハインXL(Albert Heijn XL)」、コンビニエンスストア「アルバート・ハイン・トゥ・ゴー(Albert Heijn to go)」の3業態で計1228店(2022年12月末時点)を展開するオランダ最大の食品小売企業だ。同社はリアルとネットの双方で積極的な投資を行っており、マーケットシェアを拡大し続けている。日本では注目されることの少ない企業だが、店舗網を広げながらデジタルの領域でもチャレンジを続ける同社の経営戦略に学ぶところは多い。直近の動きをまとめた(本記事は「世界の小売業大全&ランキング」ダイヤモンド・チェーンストアオンライン有料会員限定記事です)。
積極的出店とM&Aでオランダでのマーケットシェアは40%弱に
アルバート・ハインは本国オランダにおいて、新規出店やM&A(合併・買収)などによって店舗網を拡大させている。2021年9月には蘭SMディーン(DEEN)から38店舗を譲受し、「アルバート・ハイン」に業態転換。また、20年3月には英BP社のオランダ国内のガソリンスタンドに併設されている100店以上の小売店を「アルバート・ハイン・トゥ・ゴー」に業態転換することで同社と合意し、22年末までに計113店の業態転換を完了させた。22年時点の市場シェアは37.0%で、前年よりも1.2ポイント上昇している。
11年にはベルギーにも進出。ベルギー北部ブラッススガートで第一号店を開業して以降、22年末時点の店舗数は74店まで増えている。
アルバート・ハインでは、約1万品目のプライベートブランド(PB)商品を取り扱っている。22年以降は、記録的なインフレに対応して、価格訴求型PB「プライスファボリテン(Prijsfavorieten)」を強化。生鮮食品、日配品、加工食品、日用品など、2000品目以上を品揃えしている。
また、プラントベース(植物由来)の食生活への関心が高まりつつあるなか、「25年までに、販売するタンパク質の50%をプラントベースにする」との目標を掲げ、ベジタリアン向けやプラントベースのPB商品を1000品目以上に拡充している。消費者の節約志向の高まりに伴って「プライスファボリテン」を中心にPB商品が幅広く支持を集めており、PB商品の買上点数は3年連続で増えている。
アクティブユーザー数350万人以上! スマホアプリの利用が進むワケ
アルバート・ハインは