国際認証「B Corp」コンサルと投資のシグマクシス・グループが取得の理由と意外な効果とは
昨今は環境への配慮なしでは企業としての価値は認められない。活動にお墨付きを与える認証制度も多数ある。そうした中、じわじわと認知度を高めているのが「B Corp」と呼ばれる国際認証制度だ。アウトドア用品の「パタゴニア」が取得していることはよく知られている。国内でも関心が高まっており、取得企業も増加している。日本の上場企業として初めて同制度を取得したシグマクシス・ホールディングス(東京都/太田寛代表取締役社長)。取得企業の多くがメーカーという中で、同社はコンサルティングと投資を生業としており、異彩を放つ。その目的や狙いはどこにあるのか。取得をけん引した同社のコンサルティング子会社シグマクシスの常務執行役員である齋藤立氏に聞いた。
国際的な認証制度「B Corp」とは
「B Corp」は、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証制度。運営は米国の非営利団体の「B Lab」が行う。
社会や環境に配慮する観点では、「フェアトレード認証」や「LEED認証」などがある。「B Corp」は、「企業のあり方」を認証するという点で、それらと一線を画す。具体的には、環境や社会に配慮した事業を行ったうえで、それらの透明性や説明責任などをクリアした企業に対し、認証が与えられる。
従業員の労務環境にもメスを
「企業のあり方」に焦点をあてているため、認証試験では、従業員の有給休暇・病気休暇の年間日数や学びに対する経済的サポートの割合、管理職における女性比率なども確認される。つまり、環境に配慮する企業として、製造における脱炭素などだけでなく、それを実行する従業員の職場環境にまでメスを入れた本質的な環境対応をしているのかを同制度は問うている。