23年3月期連結決算減収減益のいなげや、イオンとの経営統合について語る
食品スーパー(SM)の「いなげや」やドラッグストア「ウェルパーク」を運営するいなげや(東京都/本杉吉員社長)の2023年度連結決算は巣ごもり需要の反動やエネルギー価格の高騰などにより、減収減益となった。本杉社長は決算発表会見のなかで、今後予定されているイオン(東京都/吉田昭夫社長)との経営統合についても触れた。
巣ごもり需要の反動やエネルギー価格の高騰により減収減益
いなげやの23年3月期連結決算は、営業収益が対前年同期比1.1%減の2485億円 、営業利益が同46.1%減の18億円の減収・営業減益となった。コロナ禍における巣ごもり需要の反動による客数減少や、原料高騰にともなう売上原価の上昇、さらにエネルギー価格の高騰が大きく影響したかたちだ。また、当期純利益は11億円の最終赤字となっている。
単体売上高については、年末商戦以降おおむね前年を上回る傾向で推移したものの、巣ごもり需要の反動や、物価高騰による買い上げ点数の減少などの影響を受けて同0.6%減の1934億円の減収。営業利益は売上減少やエネルギー価格高騰などにより同61.2%減の8億円と減益となった。
24年3月期の連結業績予想については、営業収益は対前年同期比1.6%増の2526億円、営業利益は原料高などに伴う売上原価高騰の影響で経費のさらなる上昇が想定されることから同21%減の15億円とした。
本年度はドミナントエリアの強化に努める
いなげやは、連結業績目標を達成するための成長戦略の1つとして、「ドミナント戦略」を掲げる。本杉社長は今後3年間で、400~500坪型の生鮮・総菜強化型食品スーパー(SM)を5店舗、新フォーマットのドラッグストア20店舗以上出店することを明かした。重点地区として練馬から三多摩地区、横浜から川崎地区を挙げ、ドミナントエリアの占拠率を高めていく。
さらに既存店舗の活性化にも取り組む。SM7店舗、ドラッグストアでは26店舗の改装を計画しており、冷凍商材の商品開発や冷凍食品売場の拡大に加え、鮮魚の寿司といった新規カテゴリーの導入を推進する。
また、プライベートブランド(PB)開発や、ローコストオペレーションによる生産性の向上に向けてPOSレジの刷新のほか、データを活用したワントゥワンマーケティングなどに取り組む。こうした施策から「収益力、 競争力の高い店づくりに努めていく」(本杉社長)とした。