マーケティング&イノベーションのために
現在の『チェーンストアエイジ』誌のキャッチコピーは、「マーケティング&イノベーションのために」としている。
「事業の基本的機能は2つ。そしてただ2つのみ。それは、マーケティングとイノベーションである。その他はすべてコストなのだ」という故ピーター・ドラッカー教授の言葉が下敷きである。
どんなビジネスであっても、マーケティングとイノベーションは不可欠と言うことができるが、日本の流通業界には、この2つの基本機能が欠落していると批判される機会も少なくない。
たとえば、小売業の「販売促進」の実態を調査すると、「折り込みチラシ」「ホームページへのチラシ掲載」「ポイント還元サービス」「テレビコマーシャル」「ダイレクトメール」「メールチラシ」(『チェーンストアエイジ』誌2009年6月1日号)などが主で十年一日の如く、新たなものはほとんど開発されていない。
だからこそ、「マーケティング」と「イノベーション」の視点を通じての編集活動にこだわっている。
最近、よく質問されるのは、「では、マーケティングとは、イノベーションとは、何か?」ということだ。私は次のようにお答えしている。
まず、マーケティングとは「顧客の“維持深耕”・“創造”」のことである。その実現に向けて、過去の思想や手法と決別したイノベーション(革新)を継続していくという意味だ。
市場の変化はマーケティングの変化よりも間違いなく早い。
だから、多くの企業が実践しているマーケティング活動は時代遅れになっているのではないかという仮説を前提に今後とも「顧客の“維持深耕”・“創造”」のためのヒントを提示していきたい。
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