経常収支、一転2.2兆円黒字=対中輸出増、持続性不透明も―2月

時事通信社
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都内 港
財務省が10日発表した2月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は2兆1972億円の黒字だった。(i-stock/yongyuan)

 財務省が10日発表した2月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は2兆1972億円の黒字だった。春節(旧正月)休暇が明けて対中国輸出が増えたことなどから、過去最大の1兆9893億円の赤字だった1月から2カ月ぶりに黒字に転換。今後も黒字基調は続くとの見方はあるが、海外経済の動向に左右され、不確実性が大きい。

 輸出額から輸入額を引いた貿易収支は6041億円の赤字となった。赤字幅は3兆円超だった1月からは大幅に縮小したが、前年2月の1949億円からは拡大。輸出額が7兆6443億円だった一方、輸入額は8兆2484億円と、資源高や円安の影響で貿易赤字は16カ月連続となった。

 一方、訪日外国人旅行者の増加により旅行収支は2239億円の黒字と、前年2月の140億円の黒字から大幅に拡大。配当金や利子の受け払いの収支を示す第1次所得収支は、3兆4407億円の黒字と、海外の金利上昇による債券の受取利子の増加や円安で黒字幅が拡大した。

 市場では、原油高や円安の進行に落ち着きが見られることなどから、23年全体では「経常黒字がやや拡大する」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との見方がある一方、欧米経済の減速懸念から「輸出の先行きには不安が大きい」(第一生命経済研究所の大柴千智副主任エコノミスト)との指摘も聞かれる。

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