老舗の増永眼鏡、仮装試着サービスで若いお客の「来店」が増えている理由

2023/03/22 05:55
久保佳那
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メガネを新調するとき、まず店頭でさまざまなフレームを試着してみるのが一般的だろう。しかし、増永眼鏡(福井県/増永宗大郎社長)が提供する仮想試着サービスを利用すると、撮影写真を基にアバターが作られ、オンライン上でメガネの試着ができる。これまで4060代の顧客が多かった増永眼鏡の直営店舗には、「仮想試着サービスを試したい」という若い世代の来客が増えているという。マーケティング室 室長の野原弘道氏と、下北沢店 店長の荒川大地氏に話を聞いた。

仮想試着サービスは「非接触接客」をテーマにした店舗づくりと親和性が高かった

ZEISS VISUFIT 1000
撮影画像からアバターを作成する「ZEISS VISUFIT 1000」

 メガネの仮想試着サービスを始めた経緯を、増永眼鏡マーケティング室 室長の野原弘道氏はこう語る。

 「下北沢店のオープンがコロナ禍と重なり、非接触接客や接客時間短縮のアイデアを出し合っていた。ちょうどその頃、取引先であるドイツのカールツァイスビジョン社から『ZEISS VISUFIT 1000』を提案された。お客さまの顔を撮影してアバターを作成できる機能が非接触接客に生かせるのではと考え、導入を決定。下北沢店のコンセプトを『非接触接客』とした」

 光学機器メーカーであるカールツァイスビジョン社が開発した3Dデジタルセントレーションシステム「ZEISS VISUFIT 1000」には、9つのカメラが搭載されており、顔の前面180度を撮影できる。そして、撮影画像から作られたアバターの目や耳の位置、顔の横幅、髪や肌、目の色などを基に、AIがメガネフレームをレコメンドする仕組みだ。

 「メディアで紹介されたこともあり、仮想試着を試したいと来店されるお客さまもいる。アトラクション感覚で楽しんでもらえるので、知らずに来店された方にも勧めている」と下北沢店 店長の荒川大地氏は話す。

 増永眼鏡のファンは高い品質を求める4060代がメーンだが、下北沢店の客層は少し違うのだという。「下北沢という場所柄なのか、2040代の方も多くお越しいただいている。また、ファッションアイテムとしてメガネを探しているお客さまが他店舗より多い」(荒川氏)

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