コンビニ大手が行動計画、人手不足対応へ省人化設備導入などの支援策、時短営業も容認

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セブンイレブン
セブン-イレブン・ジャパンは出店基準を厳格化し、新規出店を抑制する 写真はロイター

 コンビニエンスストア大手各社は4月25日、フランチャイズ加盟店の人手不足対応策などをまとめた行動計画を発表した。省人化設備の導入を増やすほか、営業時間短縮の実証実験店舗を増やしたり、新規出店を抑制したりする。

 経済産業省が、コンビニ大手4社に対して、加盟店の人手不足対策に向け行動計画を策定するよう求めていた。

 セブン-イレブン・ジャパンは出店基準を厳格化し、新規出店を抑制する一方、セルフレジや新検品システム、人工知能(AI)におる発注補助の仕組みなどを導入し、店舗運営の省人化を支援する。

 ファミリーマートは5月以降、約250億円をかけてセルフレジや新型の引き出し型陳列棚、新型発注端末などの導入を進める。ローソンは、新型ストアコンピュータやセルフレジなどの導入により、2019年度に1店舗で1日当たり7人時、月間18万3450円相当の人件費削減を目指す。

 営業時間短縮について、セブン-イレブンとファミリーマートは実証実験店舗を増やし、その結果をもとに希望する加盟店オーナーに個別対応していく。ローソンではすでに41店舗が時短営業を行っており、5月以降も2店舗が営業時間を短縮する予定。

 そのほか、各社とも加盟店との対話機会を増やし、加盟店オーナーの意見を吸い上げる。

■コンビニ大手3社の行動計画の概要
セブン-イレブン・ジャパン ファミリーマート ローソン
制度 ・オーナー業務を代行できる本部社員を養成
・店舗スタッフ派遣制度の充実
・6月以降、24時間営業奨励金を増額
・休暇取得促進に向け店長ヘルプ制度を充実
・複数店舗経営を支援するフランチャイズ契約パッケージの導入を検討
設備 ・セルフレジの全店導入
・キャッシュレス決済の促進(7月から「7ペイ」導入)
・新検品システム、食洗機などを順次、導入
・セルフレジを2019年度中に4000店舗に導入
・7月から自社キャッシュレス決済「ファミペイ」開始
・新型の引き出し型陳列棚を既存店に導入拡大
・新型ストアコンピュータやセルフレジなどの導入により、2019年度に1日当たり7人時、月間18万3450円相当の人件費削減を目指す
時短営業 ・現在13店舗で実証実験
・5月以降、加盟店約100店舗で実証実験を開始
・6月以降、東京、長崎、秋田の約270店舗で実証実験(3〜6カ月) ・41店舗で時短営業を実施
・希望店舗には個別に対応
その他 ・セブン&アイグループでの買物割引券を配布
・役員、部長が加盟店訪問、加盟店オーナーにアンケート実施
・廃棄ロス削減のために冷凍食品売場や賞味期限の長い中食商品を拡大
・地区ごとに店長集会の開催を増やすなど本部との対話充実
・新たな食品ロス削減プログラムの導入を検討
・4月に「ローソン加盟店アドバイザリー委員会」を新設し、加盟店との意見交換を強化

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