ブックオフがめざすITを駆使した市場起点の販促戦略
ブックオフがめざすITを駆使した市場起点の販促戦略
販促物の管理・運営が課題
ブックオフコーポレーション(以下、ブックオフ)では多くの流通企業と同じように本部から店舗に販促物・デザインを供給し、店舗の販促活動を行っています。しかし、私も元々店舗にいたので現場の気持ちもよく理解できるのですが、本部から送られてくる販促物の量が多い、あるいは使えないという意見が本部によく届いていました。 その結果として、本部から送られてきた販促物が店舗で使われていないということが多発し、そこで未使用分の販促物の制作費、廃棄費用等の無駄なコストが発生していました。
また、本部の販促物を使用する代わりに現場で独自に制作した販促物も使用されていました。店舗で制作されたPOPのクオリティが高くブランドイメージに沿ったかたちであれば問題ないのですが、店舗によってかなりバラつきがありました。制作されたPOPの中にはブランドイメージを損なってしまうようなものも見受けられました。
現場のニーズにあった販促物の提供ができる
ブックオフでは取り扱う商品のジャンルが増えています。本やCDだけでなく、家電や洋服、楽器といった幅広い商品を取り扱うようになってきています。当社の強みである店舗網や認知度を生かして幅広いジャンルの商品を販売していくという戦略ですが、同時に販促ツール類のトーン&マナーについても統一していく必要が出てきました。しかし先ほど申し上げたように本部が一括でPOPを制作しても現場では
使われないという問題がありました。
本部としても店舗がいちばん、商圏のお客さまについて理解しているはずなので、彼らの声も取り入れたいという思いがありました。そんなジレンマに悩んでいる時に、会社としてのブランドイメージを保ちながら、店舗の声も反映させることができる販促クラウドサービスSPinno(スピーノ)の話を聞き、導入に至りました。
SPinnoで販促活動を可視化、データをクラウドで管理
まずは試験的に数店舗からSPinnoの活用を始めています。販促活動を可視化して、適切な承認フローを組むことで、本部承認が得られていない販促物が店頭に掲示されるリスクを回避しています。
また、販促物に関するすべてのデータをクラウド上で管理することで、店舗の販促担当者やデザイナーなどが個人レベルで管理していたデータを本部側でも確認することができるようになりました。
店舗側でも、オンラインで販促物に関するデザイン編集が可能になりました。またSPinnoではデザイン編集機能において2つの制限(禁止エリア・NGワード登録)を付けることで、クラウド上でPOPのデザイン管理が簡単にでき、ブランドイメージを統一できるようになっています。
販促物の印刷コスト・物流コストの削減につながる
SPinnoの導入効果のひとつに印刷コスト・物流コストの削減があります。販促物の本部作成、店舗作成にかかわらず、必要な分だけ作成できるようになったので大きく無駄を減らすことができるようになりました。さらに導入メリットのひとつとして店舗間でのデザインのオンライン共有があげられます。たとえば、ある県の店舗が作成したPOPを別の県の店舗が使用するということが起こり始めています。ブックオフ専用のデザインテンプレート機能と言えるかもしれません。また、今後は店舗間でクオリティの高いデザインのPOPをSPinnoの機能で共有することで店舗全体でのPOPのデザイン力の底上げを期待しています。
SPinnoで迅速なPDCAサイクルを回す
ブックオフは一見同じような店舗に見えても、その地域性にあったお店づくりや価格表示に力をいれています。だからこそ、ブックオフでは常にお客さま目線を意識して、販促物に関しても最適なタイミングで効果的に供給し、お客さまにPRを行っていきたいと考えています。そのためには、販促物のクリエイティブや方向性に関しても、高速でトライアルアンドエラーを繰り返していく必要があります。その販促活動のPDCAを回すのに、SPinnoを駆使していきたいと思います。
また、SPinnoには利用しているユーザー同士が交流して、各々の販促活動の課題をオープンにディスカッショできる場があると聞いております。そういった場にも積極的に参加して、SPinnoの活用度をさらに高めていきたいと考えています。
SPinnoユーザーコミュニティ
SPinnoには、ユーザー同士が活発に議論を行えるコミュニティがあります。
1月25日にはオープンイノベーションミーティングとして、ユーザー企業各社のご担当者様が集まるオフラインの集いを開催しました。
参加者の感想
やはり各社それぞれが異なったビジネスを運営していますので、社内にはない知見を得ることができるのがメリットですね。先進的なアイデアも既に幾つか出てきていますので、実現に向けてこれからスピーディに動いていきます。
また、販促の現場に携わる者同士がオープンに議論するのは、トップダウンで協業するのとは異なったよさもあると思っています。スモールスタート、スピードランといいますが、少ないリソースでもスピーディに新しいことにチャレンジできることが素晴らしいので、かたちにできるよう取り組んでいきます。
社外リソースとして他社の皆様の意見を活用できるだけでなく、他社のビジネス課題を考えることで、自社の課題に役立つことも発見できると思っております。販促分野にとらわれることなく、新プロダクト/サービスや新チャネル、新業態、顧客ターゲットセグメントの多角化など、フラットな目線で議論していきたいと思っています。次回も楽しみにしております。
お問い合わせ先
クラウド事業部
Tel: 03-5806-5051
URL: www.spinno.co.jp
E-mail: in-contact@spinno.co.jp