【米クローガー】5~7月の既存店売上高は3四半期ぶりのプラス、0.7%増

2017/09/13 12:00
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 米スーパーマーケット最大手のクローガーが発表した2017年5?7月期の既存店売上高は、前年同期比0.7%増(ガソリン販売を除く)で3四半期ぶりのプラスとなった。ウォルマートやアマゾン・ドット・コム、小型食品ディスカウントストア(DS)のアルディなどとの価格競争が激化していることから、値下げを強化した。これにより、客数や買い上げ点数が増えた。

 

 売上高は3.9%増の276億ドル(約3兆円)だった。値下げ攻勢を強めたことで粗利益率は0.3ポイント減の21.7%となったが、売上げが増えた効果で営業利益は2.0%増の6億7800万ドルとなった。一方、利払いや税金負担が増えたことで、純利益は7.1%減の3億5100万ドルだった。

 

 同社はアマゾンやウォルマートのEコマース事業に対抗するために、インターネットで注文した商品の店頭受け取りサービス「クリックリスト」を強化しており、Eコマースの売上高は前年同期に比べて約2.3倍に増えたという。これも増収に寄与したが、クリックリストは通常の店頭販売よりも手間暇がかかるため、まだ利益貢献するには至っていない。クリックリスト対応店舗は年内に1000店以上に増やす計画だ。

 

 ただ、アマゾンがホールフーズ・マーケットの買収完了後にホールフーズの店頭価格を引き下げたことや、ドイツの小型食品DSであるリドルが6月から米国での出店を始めたため、クローガーは粗利益率を引き下げてでも低価格攻勢に対抗せざるを得ない状況だ。このため、株式市場ではクローガーの利益への下押し圧力が強まると見ており、同社の株価は9月8日の終値で21.06ドルと年初から約38%下げている。

 

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