アパレルだけでなくチポーレも参入、ウォルマートも準備… 米国メタバース最新事情
待ったなしの状況下で各社は急ピッチで開発昨年のクリスマスの翌日、メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms:以下メタ ※旧Facebook)が開発・販売するVR(仮想現実)ヘッドセット「Meta Quest 2(メタクエスト2:旧Oculus Quest 2)」用のアプリがダウンロード数で全アプリで全米トップ、世界14カ国でもトップ5に入った。ゲーム、VR、AR(拡張現実)は多くの米国人にとってすでに日常生活の一部となっており、小売業界ではメタバース開発が急ピッチで進んでいる。
「若い世代を取り込む最短チャネル」として注目
米国大手小売企業はECの競争力を高めるために、積極的にVRやARをモバイルアプリやウェブサイト上で活用してきた。たとえば米ホームセンター大手のロウズ(Lowe’s)は2016年にVRとARを使って改装後の部屋を見ながらデザインできる「ホロルーム」を発表した。イケア(IKEA)は17年にARによって自宅に買いたい家具をヴァーチャルに置いて試せる「IKEAPlace(イケアプレース)」を開始した。
その後、コロナ禍をきっかけにヴァーチャル試着の導入などリテールDX(デジタル・トランスフォーメーション)が急速に拡がり、「メタバースは次世代のウェブサイト、ECであり、乗り遅れるわけにはいかない」という共通認識が拡がっている。
また、メタバースでは現在ゲームのシェアが大きく、これの中心顧客であるZ世代、ミレニアル世代が消費をリードし始めている。メタバースは、ゲームで育ちゲームが日常生活の一部となっている若い世代を取り込むための最短のチャネル、という認識も強い。22年1月に開催された「NRF2022Retail’s Big Show」でラルフローレン(Ralph Lauren)のCEOのパトリス・ルヴェ氏は「そこに消費者がいるからわれわれもメタバースに参入する」と述べていたが、まさにメタバース参入は問答無用、というのが今の状況だろう。
米調査会社のインサイダーインテリジェンスが行ったECに関する消費者調査(図表❶、21年12月)では、
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