スーパーバリューが世田谷の閑静な住宅街に出店 初の地下売場が差別化になる理由とは!?
精肉売場では銘柄牛を中心に展開
売場を見ていこう。青果売場では、商品1つ当たりのフェースを多くとり、目玉商品を大量に陳列することで、お客にお買い得商品が明確に分かるようにしている。また、一度に多くの商品を並べることによって補充回数を少なくし、オペレーション面での効率化にも取り組む。壁面には産地直送野菜を展開し、鮮度のよさを訴求した。
鮮魚売場では、丸魚を中心に展開し、切身や刺身の盛り合わせも品揃えした。また、コンパクトな売場ながら、対面販売のスペースを確保。お客の要望に沿って骨取りなどの加工に応じる。
精肉売場では、商圏内に高所得者層が多いことから、品質の高い国産の銘柄牛を中心に展開した。世田谷松原店で初導入した山形県尾花沢産の霜降り和牛は、雪国の厳しい環境下での育て方にこだわっており、出産を経験していない雌牛のやわらかい肉質が特長だ。
総菜売場は店舗の最も奥に展開した。揚げ物や弁当、おにぎり、巻寿司など幅広い商品を取り揃えている。とくに揚げ物では、健康に配慮してコレステロール0のキャノーラ油を使用した。
レジそばのベーカリー売場では、約20種類のパンを単一価格で提供することによって買いやすくしている。オープン時の価格は93円(以下税抜)だった。そのほか、世田谷松原店限定で「くまのもっちり食パン」(198円)も販売する。
世田谷松原店では、今後お客の反応を分析しながら品揃えを変えていく考えだ。「グロサリーは所得の高いお客さまに向けて、高品質商品の割合を高めたい」(広報担当者)。
上記のような取り組みにより、スーパーバリュー世田谷松原店は年商25億円を目標としている。19年2月期の決算では約6億円の営業損失を計上するなど業績面で苦戦する同社だが、世田谷松原店の出店で業績回復への一歩を踏み出せるか。客層に合わせた品揃えを展開することで、お客の支持を得られるかが重要になるだろう。
店舗概要
店舗名称 スーパーバリュー世田谷松原店
開店日 2019年7月11日
所在地 東京都世田谷区松原2-35-15
営業時間 10:00~21:00
売場面積 約370坪
駐車台数 59台
駐輪台数 200台
従業員数 社員15人、アルバイト55人