AIカメラ1台で、「アマゾン・ゴー」並のことができるサービスが誕生!?
カメラ1台で、アマゾン・ゴー並のことができるサービスも誕生!?
「1台のカメラで“人間の目”のような処理をする」をコンセプトに、来店客の追跡分析を可能にするソリューションの開発を進めているのがFocusWEB(埼玉県)だ。
顔と人体と動き(腕や足の動き、視線のジェスチャー認識など)から人物を特定し、そのデータを一度認識させておけば、カメラからフレームアウトし、店舗を移動してもトラッキングが可能になる。画像はデータとして保存せず、すべて数値に置き換えているため、プライバシーの問題が生じる心配も少ない。データはクラウド上で保管しており、たとえば同じチェーン内で、勤務先の最寄にあるA店、自宅近くのB店、外出先で立ち寄ったC店での行動を同一人物のものとして把握することもできるのだという。
このシステムの魅力のひとつがコストだ。ソフトウェア側ですべて解析するため、カメラは市販の安価なものを使用でき、店舗面積1000坪程度で、カメラを20~30台を設置した場合、ランニングコストは一人の人件費ほどで済むという。ただし初期の導入コストとして1台あたり20~30万円が必要になる。
「技術的にはカメラ1台で、アマゾン・ゴー並みのことができる」(担当者)レベルにあるそうだ。また、すでに自動販売機の購買動向分析システムとして実用化も進んでいる。設置場所や時間帯ごとの利用者、定期的な利用者と初回のみの利用者との購買行動の差、商品選択までの時間などを測定し、購買者分析を行うものだ。
現在同社には、上場企業を含むスーパーからの引き合いが増えているという。
「ここ1,2年で変化を感じている。とくに地方の中堅スーパーがAIの開発に本格的に取り組もうとしている姿勢がはっきりしてきた」(同)
松源も利用する、来店客の属性、行動分析サービス
国内シェア№1のセキュリティサービスをもつGMOクラウド(東京都/青山満社長)でも、「Diversity Insight for Retail」として、カメラに映った来店客の年齢・性別・ファッション(渋谷系か、無印のようなナチュラル系か)などの個人属性や、店内の行動、来店人数などをAIがリアルタイムに分析するソリューションを提供している。
パルコグループでは、イベントブースで採用し来場者分析に活用。クックパッドが展開する生鮮食品EC「クックパッドマート」では、受け取り専用の生鮮宅配ボックスの利用者分析に活用し、年齢・性別・ファッション・ライフスタイル・時間帯ごとの人数・男女比・滞在時間などの個人属性と行動分析を行っている。
また、和歌山、奈良、大阪で「スーパーマツゲン」を展開する松源は花見シーズンのディスプレイの効果検証に使用し、店舗スタッフの感覚だけに頼らない、データに基づく「買いたくなる売場づくり」に生かしていくという。
このDiversity Insight for Retailは、店全体の来店客分析というよりも、販促コーナーといった限られたスペースでの活用実績を前面に打ち出している。「いかに特異性のあるデータを取得できるか」に重きを置くため、こうした提案が多くなるのだという。
「後発サービスだが、問い合わせが増えている状況」(担当者)だそうだ。