アメリカ発酵飲料市場 スタバもコカ・コーラも注目する、モンゴル発祥の“コンブチャ”とは!?
世界では、何世紀にもわたって、発酵食品が楽しまれている。近年、アメリカでも発酵食品が見直され、その市場はここ数年、急成長している。なかでも大きな成長を示している発酵飲料について、その急拡大の背景に迫るとともに、市場拡大をけん引する2つの発酵飲料を巡る市場の動きをまとめた。
1年で1.5倍拡大したアメリカの発酵食品市場
アメリカの発酵食品のリーダーとも呼ばれているSandor Ellix Kats氏が、2012年に出した『Art Of Fermentation』(邦題「発酵の技法―世界の発酵食品と発酵文化の探求―」)という本が、ジェームズ・ピアード賞(料理界のアカデミー賞)を受賞し、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト入りしたのを皮切りに、アメリカの健康志向の高い層の間で、発酵食品は体に良いという認識が広がってきたとも言われている。
また、一般的にもプロバイオティックス(腸内フローラのバランスを改善することにより、人に有益な作用をもたらす生きた微生物―英国の微生物学者Fullerによる)の効果が幅広く認知されるようになってきた。プロバイオティックスは腸内細菌を健やかに保つ効果があるとされ、発酵食品の中に多く含まれているといわれている。「“プロバイオティックス入り”と書くだけで、製品の売上が上がる」と広告の消費者保護を専門にするサンディエゴの検察官Tim Bloodは今年、Women’s healthの取材で語った。(https://www.womenshealthmag.com/health/a19902426/know-before-taking-probiotics/)
発酵飲料市場をけん引する、モンゴル発祥の“コンブチャ”とは!?
クラウドベースのレストラン管理プラットフォームであるUpserveの調査によれば、アメリカにおける発酵食品の消費量は2018年、対前年比149%と大幅に増加した。中でもコンブチャの消費量が、特に増加していると発表した。
コンブチャとは、日本の昆布茶とは違い、紅茶キノコのことだ。元々はモンゴル発祥の飲み物で、砂糖を加えた紅茶や緑茶などのお茶に、スコビーと呼ばれる酵母由来から生まれた発酵菌と酢酸菌を入れて発酵させた植物性の飲み物のことだ。コンブチャが発砲する発酵の過程で、プロバイオティックスが発生する。
コンブチャはマドンナやミランダ・カーなどのハリウッドセレブも愛用していることから、人気に火がついた。Grand View Researchの調査によれば、世界のコンブチャの市場規模は2025年までに54億5,000万ドル(約6000億円)に達する勢いだ。特にアメリカでは昨年、7億2,880万ドルの売上があり、コンブチャとノンアルコールの発酵飲料は、現在ドリンク全体の売上の10%を占めており、3番目に大きいカテゴリーとなっている。