時価総額で三越伊勢丹を上回る! 神戸物産の“競争しない”競争戦略に迫る
約20年前に確立!
SPAとフランチャイズの融合ビジネス
神戸物産はこのように独自化された品揃えをどのようにして実現しているのだろうか。また、なぜNBに頼らずとも高い販売力を実現できているのだろうか?
1980年代に小さなスーパーマーケットの経営からスタートした神戸物産は、90年代、中国で立ち上げた自社工場で製造した商品を欧米で販売する製造卸売業に進出。そこから着想を得た創業者の沼田昭二氏が、製造卸売業と小売業を組み合わせたビジネスモデルを考案。これが業務スーパーのはじまりである。どこでも買えるNBを販売していては規模の大きいスーパーにかなわないし、価格競争に陥り利幅も稼げない。一方、自社でコストコントロールした商品であればNBより低価格で販売できる上、利幅も残すことができる。SPA(製造小売業)という言葉が一般化する前、いまの食品小売業がめざすべき姿を20年先取りしたビジネスモデルを開発したのである。
2000年3月からは、「業務スーパー」のフランチャイズチェーンの展開をスタート。直営で展開していたのでは、経営資源を出店コストにも振り分けねばならず、当時の企業規模では大きくなるまでに時間が掛かっていたであろう。自らはFCの本部として、製造とFCの運営管理に注力することで店舗網を効率的に増やしていった。とくに低価格を訴求できる業務スーパーは国内景気の低迷も追い風になった。
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いまや女子高生も来店する、それが業務スーパー