時価総額で三越伊勢丹を上回る! 神戸物産の“競争しない”競争戦略に迫る

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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いまや女子高生も来店する、業務スーパー

 2008年以降は、製造業としての性格が色濃くなり、国内の食品メーカーを次々と手掛けていった。現在では自社工場に加え、グループ会社1320工場を有するまでになった。

 また、業務スーパーで近年、存在感が増しているのが直輸入の海外商品である。業務スーパーで取り扱う商品のうちアイテム数ベースでは1/4ほどがこれら輸入商品となっている。今年ブームが再燃した「タピオカ」も業務スーパーが取り扱う商品の1つ。台湾から直輸入する「インスタントタピオカ」「タピオカドリンク(ミルクティ)」は入荷したらすぐ売り切れる人気商品だ。もちもち食感が特徴のブラジルのパン「ポン・デ・ケージョ」や台湾のB級グルメ「葱抓餅」など、一般のスーパーでは買えない商品が並ぶ。低価格、おいしさ、珍しさを意識する結果、「業務スーパーに行けば面白い商品がある」として、最近では女子高生などの来店も増えているという。

 独自の「食の製販一体体制」とFC展開を両輪に、新しい客層を増やしながら、強みを増す神戸物産の“競争しない”競争戦略。消費者の財布のヒモが固くなる増税後、さらにその勢いは増すことになりそうだ。

神戸物産の最新戦略、商品開発・輸入商品戦略、ローコストを実現する店舗オペレーションの秘密、新たに強化する総菜について、「ダイヤモンド・チェーンストア」9月1日号特集「神戸物産 競争しない独走経営」で詳細にわたって掲載!
沼田博和社長のインタビューでは、強さの秘訣と今後の事業戦略、展望について詳細に語っていただいた。

神戸物産の強さのすべてがわかるのは!ダイヤモンド・チェーンストア2019年9月1日号

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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