急拡大するイケアのEC売上 「顧客体験をつなげる」ビジネスのオムニチャネル化とは?
オンラインでも、店舗と同じサービスの実現を
野崎氏は、商品の配送も、オムニチャネル戦略において重要な位置づけにあると話す。現在、オンライン販売における配送は、全て店舗から行っているが、郊外の大型店、都心部の小型店を含めて、EC向けの物流能力をいかに拡大するかが近年の課題だという。物流コストが高い日本の市場の中でも、顧客に安く商品を提供するために、インソーシングでの配送の試みも始めている。
今後は、家具の組み立てサービスや返品といった、店舗では当たり前にできるサービスをオンラインでも可能にすることに注力する構えだ。
「例えば、家具の組み立てサービスは店舗では簡単に申し込むことができます。ですが、オンラインに全て移行するためには、現場レベルでのオペレーションの変革が必要で、簡単ではありません。しかしコロナ禍という後押しもあり、オンラインでできることは過去1年半でかなり増えてきました。デジタル化の実現には、上層部だけでなく、現場を含めた社内の意識改革が欠かせません。今後も、オフラインとオンラインのギャップを埋める努力を続けていきます」(野崎氏)