EC比率3割!ナノ・ユニバースのTSIが進めるオムニチャネル戦略とは?
コーディネートでもアイテムが検索可能
では、これまでの知見を生かして、同社のECはどのように進化しているのだろうか。越智氏は、自社サイトのEC向けモバイルアプリの例を紹介してくれた。
一般に、ファッションのECサイトは、トップページからアイテムのカテゴリーを検索し、テイストや価格帯で選択肢を絞り込んでいくパターンが多い。しかし、同社のアプリでは、コーディネートからもアイテムを探せるようにした。「手持ちのワードローブに基づいて、アイテムを決めるお客さまが多いと想定されるからです」と、越智氏は説明する。
また、顧客がアプリで見つけた商品をリアル店舗に探しに来る場合、商品画像を「スクリーンショット」で保存して、スタッフに「この商品が見たいんですけど」と尋ねるパターンが多いそうだ。ところが、スクリーンショットの画像情報では品番がすぐに特定できず、スタッフも商品を探すのに手間取り、顧客を長時間待たせてしまいがちだという。
そこで、「画面を工夫して、欲しい商品があれば、画像を“お気に入り”に登録してもらうように誘導しています。品番情報も同時に登録できるからです」(越智氏)。
さらに、ECは、ワン・ツー・ワンのコミュニケーションが取りにくいのがネックだが、商品についてチャットでスタッフとやり取りしたり、コールセンターに質問・相談したりできる仕組みも取り入れた。