混雑状況を可視化!VACANで省人化と収益化ができる理由
省人化と収益増を同時に実現
商業施設の運営事業者から導入の相談を受けることが多いのがトイレ、フードコートの混雑、駐車場の空き状況の可視化という。
ある百貨店では1階にトイレがなく、2階の女子トイレが大混雑を起こしていた。その対処法として同じフロアにある男子トイレをなくして女子トイレを増設する議論も行われた。しかしVACANのデータを見ると、実は2階の男子トイレは利用率が高く、3階以上の女子トイレは使う人が少なかった。それで女性客に3階以上のトイレ利用を促すことによって課題を解決。結果的にトイレ増設の費用をかけずに利用者の不満を解消できて、コスト面でも感謝されたという。
トイレでのさらなるVACANの活用法としては、トイレットペーパーの残量検知、利用者数に応じた清掃管理が考えられ、人員配置を効率化する実証実験が行われている。利用者以上にオペレーション側への導入メリットが大きな例には、タクシー乗り場の空き状況をドライバーに知らせて、配車に役立てている施設があるという。これまではタクシー会社の配車センターが担っていた業務をVACANが自動化して人の負担をなくしているわけだ。
飲食業界の事例としては、常に混雑しているカフェで、テーブルの空き状況を見える化するとともに、タブレットで席の取り置きができるようにした。予約の電話を受け付けたり、予約札を置いたりするマンパワーのゆとりがない中でも、お客を逃すことなく、店の回転率を上げることに成功した。
加えて顧客の属性データを収集してマーケティングに活かせるメリットが生じたほか、席予約の料金を課金する機能を追加してプラスアルファの収益を得られるようになったという。
この順番待ちと席の取り置きを受け付けるデジタル整理券システムは「VACAN Qticket」として、東京駅の駅ナカ商業施設・グランスタ東京にも導入されている。飲食や小売の店舗に限らず、サービス業、ホテルや免税店、イベント会場などでの活用も見込まれる。
海外進出したラーメンチェーンの店舗向けには、待ち時間に応じてポイントを付与し、貯めたポイントを無料ドリンクや割引クーポンに交換できる機能を備えた「Fun to Wait」を開発。「待っている時間そのものを楽しめ、価値を持たせる試みにもチャレンジしている」(河野社長)という。