ドローンで物流施設を管理へ!「もう一つの物流クライシス」に挑む大和ハウス工業

2023/11/02 05:59
堀尾大悟
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物流施設を遠隔一元管理する「プラットフォーム」構想

ドローン画像
ドローン「Skydio 2+™」

 2023年8月に、大和ハウス工業、NTT Com両社によるドローンを活用した物流施設の無人点検管理のプロジェクトがスタート。これから順次、大和ハウス工業が手掛ける物流施設内で実証実験を進めていく。

 現状での課題として、「画像認識AIの精度の向上」を菅野氏は挙げる。「傷や不審物のさまざまなパターンの画像をダミーで作成し、機械学習させながら精度を高めていきたい」

 もう一つ、技術的な課題として「屋内でもドローンを自律飛行させること」を村川氏は挙げる。というのも、屋外ではGPSを受信しながらドローンを制御することができるが、非GPS環境の屋内でドローンを正確に制御するには、別の制御技術の確立が求められる。

 「まずは人がドローンを操作し、そのドローンに飛行ルートを覚えさせておくプロセスが必要。また、物流施設の図面データをSDPFに取り込むことによって、図面上で飛行ルートを設定することにも取り組みたい」(村川氏)

 一方で、ドローン飛行においては法律上の規制がある。自社の施設内であれば自社の裁量でドローンを飛行させられるが、屋外でドローンを飛行させるためには航空法に基づく国土交通大臣への飛行許可・承認の手続きが必要となる。「例えば、無人の物流施設でトラブルがあった際に遠隔地からドローンを偵察に向かわせる、ということが現状ではまだできないが、今後のDXの機運の中で法改正の議論が進むことを期待している」と菅野氏はいう。

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