ナイキ、オイシックスの成功事例にみる「デジマの達人になるための3カ条」を大公開!
流通業界のデジタルマーケティングに詳しいD2C dotプロデュース1部 プランナー/プロデューサーの菅原太郎氏によれば、デジマの成功事例には共通点があり、そこからデジマを的確に進めるコツを学ぶことができるという。そこで、菅原氏に、「デジマの達人になるための3カ条」として、デジマの成功の法則を教えてもらった。
ネットで大きな話題になったオイシックスのメディア活用
デジタルマーケティングの最近の成功事例には共通点があると、菅原太郎氏は指摘する。「例えば、、“いつ”、“どこで”、“誰が”、なにを言うかということが挙げられます。3拍子が揃った販促企画だったからこそ、インターネットでも評判となり、ブレークしたわけです」。
菅原氏に、いくつかの具体例を紹介してもらおう。まずは、米国のグローバル企業の代表であるナイキ。ブランドスローガンである「ジャスト・ドゥー・イット」の30周年広告企画のキャラクターとして、元NFLのスーパースター選手のコリン・キャパニック氏を起用、世界的にも大きな反響を呼んだという。
「彼は、米国のスーパースターではありますが、トランプ政権の人種差別的な政策に抗議するため、試合のときの国歌斉唱で片ひざをつき、物議をかもした人物でもあります。ところが、キャパニック氏のそうしたブレない姿勢が、“ジャスト・ドゥー・イット”というナイキのスローガンに、マッチしたというんですね」。
ナイキは“「ジャスト・ドゥー・イット」の30周年”に、“ナイキ・サンフランシスコ店(サンフランシスコはコリン・キャパニックが所属していたサンフランシスコ・フォーティナイナーズの本拠地)”で、 “キャパニック氏”を起用して、“ Believe in something, even if it means sacrificing everything. (何かを信じろ。たとえ、それが全てを犠牲にするとしても)”という強烈なメッセージ性を打ち出す広告を展開。「これはナイキ自らが“「ジャスト・ドゥー・イット」というスローガンを“体現”するキャンペーンであると言えます」(菅原氏)。
日本の小売業については、菅原氏は、オイシックスの例を挙げた。
「子どもが夏休みになると、逆に、お母さんは忙しくなります。そこで、『クレヨンしんちゃん』とコラボレーションをして、8月に埼玉県春日部市で、『かあちゃんの夏休みはいつなんだろう?』と問いかける広告キャンペーンを打ったんです。SNSでは、ツイッターの『リツイート』が約10万、『いいね』が約35万と大きな話題になってようです」。
オイシックスの意図は、「忙しいお母さんを応援する」ため、宅配の食材キットの活用を促すということだろうが、“夏休み”に“クレヨンしんちゃん”が地元の“春日部市”で「お母さんを気遣った」というわかりやすいストーリー性が、ネットユーザーに刺さったのだ。