ナイキ、オイシックスの成功事例にみる「デジマの達人になるための3カ条」を大公開!

野澤正毅
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デジマの達人になるための3か条とは!?

 これまでにさまざまなデジマの成功事例を紹介したが、菅原氏は、「そこにデジマの必勝パターンを見出すことができます」と、力強い言葉を発した。そこで菅原氏に、「デジマの達人になるための3カ条」を伝授してもらうことにしよう。

 第1条は「デジマの成功の法則を見つける」ということ。菅原氏は、「複数の成功事例から客観的なデータを集めて、分析することです。前述のように、販促企画では“いつ”、“どこで”、“誰が”、なにを言ったのか、という要素を調べれば、共通点が見えてくるはずです」。

 データを分析する際、菅原氏が勧めるのは、「Yahoo!リアルタイム検索」というネットサービス。「ネット上で、どんなキーワードが、いつ、どのくらい話題になったのかという履歴がトレースできる機能なんですね」。また、日本マクドナルドのような「デジマの優等生」を定点観測し、“お手本”にしてもいいという。

 第2条は「シナリオを自分で考えてみる」ということ。これまで見てきたように、デジマの“サクセスストーリー”の裏には、計算されたシナリオが付き物。そうしたシナリオから、仕掛け人のノウハウを学ぶことができる。

 「まず情報の発信方法を体得しましょう。成功事例の研究で『いいな』と思ったプレスリリースがあったら、マネして自社用を作成してみましょう。ストーリーが伝わりやすいかどうかを、自分で客観視できます。まわりの人に評価してもらってもいいと思います」。

 第3条は「トレンドワードに敏感になる」ということ。菅原氏は、「毎日、朝・昼・晩にネットをチェックする習慣をつければ、苦になりません。余裕があれば、ネット上の自社の評判も一緒にチェックしましょう」と勧める。

小売業はリアル店舗自体がデジマのメディアになる

 ただし、逆説的なようだが、菅原氏は「デジマに頼り過ぎない」ということを、デジマの達人の心得に付け加えた。

 「デジマだけで業績アップを図ろうとするのは、無理があります。例えば、ターゲットの年齢層によっては、新聞広告でまず情報を発信したほうが、情報が拡散しやすいケースもあります。ネットのほかにも、さまざまなメディアがあるので、それらを上手に使い分けたり、あるいはネットと併用したりするべきでしょう」。

D2C dotプロデュース1部 プランナーの菅原太郎氏
D2C dotプロデュース1部 プランナーの菅原太郎氏

 もう一つ、小売業やサービス業は、“リアルの店舗”自体が、デジマのメディアになってしまうことをお忘れなく。「例えば、店内のクリンネスが杜撰だったり、接客が悪かったりすると、顧客のSNSなどを通じて、悪評が一人歩きしてしまうことがよくあります。逆に、かつやのようにサービスレベルが高い店舗は、顧客がいい評判を流してくれることもあります。SNSのアカウントなどから話題作りをするのもいいですが、まず足元の店舗から固めるべきではないでしょうか」と、菅原氏は注意を促した。

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