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三重県に進出!新シリーズ商品並ぶ「ロピア桑名サンシティ店」の生鮮売場を解説

ロピア(川崎市/高木勇輔社長)は2月26日、「桑名サンシティ店」(三重県桑名市:以下、桑名店)を三重県桑名市のショッピングセンター(SC)「星川ショッピングタウン サンシティ」の1階にオープンした。三重県では1号店となり、中部地区では6店目となる。全国に先駆けて新たな総菜シリーズも販売していたという同店はどのような売場づくりをしているのだろうか。

調査日=2024年3月10~13日 ※本文中の価格はすべて本体価格

「星川ショッピングタウン サンシティ」の1階に出店。これによって、東海3県(愛知県、岐阜県、三重県)すべてに出店したことになる

商圏が広く深く、中部の繁盛店になる!?

 桑名市は三重県北部に位置し、愛知と岐阜の両県と接する都市で人口は約14万人。名古屋市のベットタウンとして宅地開発が進んでいる。

 「星川ショッピングタウン サンシティ」は伊勢自動車道の桑名インターチェンジに近く、接続する国道421号線沿いにある。商圏は桑名市の市街地はもちろん、隣接するいなべ市、山間部の東員町(とういんちょう)、菰野町(こものちょう)など広域にわたる。郊外店であってもお客を呼ぶ魅力がロピアにはある。この店舗は中部地区の繁盛店になるだろう。

 開店から14日目にあたる3月10日の午後5時頃には各レーンのお客がメイン通路まで並んでいた。また平日の開店前でも約100人が並び、雨の日でも同様に並んでいた。車のナンバーは9割が「三重」だが、「四日市」「鈴鹿」「名古屋」もあった。

 生鮮売場は青果、鮮魚、精肉の各売場がひとつなぎになっている生鮮一体型だ。作業場の関係から総菜売場は正面壁面に配置しているようだ。売場スペース構成比は生鮮と日配売場の合計で58%、加工食品と酒・飲料、菓子は計42%とほぼ標準スタイルだ。

野菜が新鮮で安く、衝動買いを誘う

 部門別に売場を見てみよう。青果売場は約60坪(歩測)。入口から見て左側の壁面に果実、中央の平台4台では野菜を展開し、右側には冷蔵ケース23尺を配置する。

 旬のイチゴは入口左側のスペースを活用。この日は静岡県産「紅ほっぺ」(2パック777円)や栃木県産「とちあいか」(1パック398円)、愛知県蒲郡市で栽培した「サンベリー」(2パック999円)を販売。お客から関心が高く、なおかつ安いので売れている。

 野菜は売れ筋商品を分散してお客を誘導している。入口ではレタス99円、ホウレンソウ159円、トマト399円、ナス5本299円、白菜1/2カット199円、ブロッコリー99円)、大根(大)139円、キャベツ99円を展開。商品単価が低いため、お客は青果で籠をいっぱいにする楽しみを味わえる。まさにロピアマジックだ。

 鮮魚売場は約38坪(歩測)。壁面24尺で寿司や巻き寿司などの米飯を展開。平場は25尺で塩干を、平台冷蔵ケースでマグロや刺し身冊、切り身、冷凍魚を配する。

平台冷蔵ケースで展開していたブリの切り身は100g250円で販売

 この週は日替わりで「ボイルマダコ刺し身用」(100g 220円)、「生本マグロブーメランカット刺し身用」(同790円)、「真ホッケ開き」(1枚200円)を販売していた。

鮮魚では米飯を強化。「日本橋魚萬」ブランドの「握り4種盛り」は990円

 鮮魚売場における米飯は「日本橋魚萬」ブランドの定番商品で対応。また、米飯商品は標準化されている。価格が統一され、オペレーションも確立されつつある。商品構成は手堅く、売れ筋商品を揃えていた。

 鮮魚売場には派手さはないが、落ち着きがあり、安心感が持てる。売場担当者が慎重で堅実なのだろう。

日替わり肉は昼に売り切れ

 精肉売場は約75坪(歩測)とゆったりとしている。左壁面38尺で豚肉、ひき肉を展開。

メキシコ産の豚バラブロックは100g128円。これは店内でカットしている

 ひき肉は「ロピア柳津店」(岐阜県岐阜市)から納品している。正面壁面36尺では牛肉をステーキ、ブロック、焼き肉、すき焼きと用途別に並べている。平台4台はエンド6尺で催事、サイド16尺で定番商品を配置する。

「国産豚ひき肉」は100g98円。岐阜市の「ロピア柳津店」(岐阜県岐阜市)から横持ち配送している

 チラシは牛肉をベースに、豚肉と鶏肉を絡めて商品を紹介していた。一方、売場では牛肉はみなもと牛「ステーキ用盛り合わせ」(100g 399円)、「リブサーロインステーキ用」(同398円)、黒毛和牛「モモステーキ用」(同450円)、「国産豚切り落とし」(同79円)を展開。豚肉は「三元豚ローススライス」(同118円)、鶏は「みなもと鶏モモ肉」(同69円)を販売。これら日替わり商品は常に売れていて、補充が不可欠だ。平日でも昼頃には売り切れていた。

 前方の平台では左側に「メガ盛り」、スペイン産「豚バラしゃぶしゃぶ切り落とし」(同299円)、右側には「ホルモン」を配置する。

 2台目は冷凍肉。「合鴨スモーク」「北京ダック」「牛肉カレー」を展開し、右側にみなもと鶏「若鶏手羽元」(同59円)を置く。

 3台目の右側は「みなもと鶏」、左側は「塩レモン」、国産の豚、レバー、豚タンを並べる。

 4台目は右側が「韓国風焼き肉」で「牛サガリ」などを展開し、左側は牛肉の特売やプルコギを配置。各レーンとも売れ筋商品で固め、回転率を考えた商品構成となっている。

全国に先駆け「シーフードデリカ」シリーズが登場

 総菜売場は約28坪(歩測)でシンプルな配置だ。壁面8尺でピザを展開し、「究極のマルゲリータピザ」「ごちそう照り焼きチキンピザ」「プルコギピザ」(各999円)を販売していた。隣の28尺には「ミートグラタン」「シューマイ」「ロールキャベツ」「キンパ」「スイートポテト」「スコーン」といった定番商品を配置する。

 平台はエンド6尺・壁側35尺で、TVでも紹介された「モンスターバーガー」(800円)、「ごちマル鶏」(1羽780円)をはじめ、「ふっくら焼き鳥」(10本666円、20本1200円)、「鮭はらこ飯」(小600円、大999円)など多様な商品を陳列していた。

 平場側は6尺冷蔵・冷凍什器5台で、系列の利恵産業(神奈川県)が製造する定番商品を展開。「ミルフィーユローラー」「コールサラダ」「極 バスクチーズケーキ」「プルプルミルクみかんゼリー」のほか、キンパ、もつ鍋の素、マルゲリータピザなどを軸に構成している。

 注目したいのは、全国に先駆けて「シーフードデリカ」シリーズと呼ぶ総菜の展開を桑名店からスタートしたことだ。「GOCHI鮭はらこ飯」「超シーフードサラダ」「サーモンムニエル」「店内仕込みのマグロから揚げ」がラインアップされていた。

 ロピアのバイヤー、小林さんが考案したとされる「小林さんちの」シリーズも充実。曜日限定販売の超レアおにぎり、ナポリタン、ガーリックライスなどを販売している。

総菜売場では「小林さんちの」シリーズを充実させた。芽キャベツをひき肉で包むという逆転発想の「小林さんちのロールキャベツ」は3個で450円

 総菜売場の配置はシンプルながらも、既存店よりも幅広く品揃えをしており、ロピアオリジナル商品が魅力的に映る。現にお客も総菜売場に群がっていた。週末の午後は総菜の陳列に空きができており、スタッフが補充に追われている様子も見られた。さらに、限定販売でおにぎりなどの催事を実施するなど、店舗による工夫がなされている。

毎週火曜日は「爆弾おにぎり」を展開。写真は鮭の切り身にマスいくらのしょうゆ漬けを乗せたもの。1個300円で販売していた

後編では日配・加工食品などの売場を見ていきたい。

(店舗概要)
所在地 三重県桑名市星川785 星川ショッピングタウン サンシティ1階
開店日 2024年2月26日
売場面積 総面積2182㎡(約660坪)、売場面積550坪(歩測)
営業時間 10:00~20:00
駐車台数 700台
競合店 MEGAドン・キホーテUNY 星川店(三重県桑名市)