確立されたフォーマットをさらに深化! 「フーコット三芳店」の売場を解説

矢野清嗣
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日本酒と焼酎は地域一番の品揃え

 生鮮・日配売場以外の売場スペースは店全体の52%を占める。それを100%とすると、加工食品が36%、飲料・酒が20%、菓子は13%、催事11%。これまで出店したフーコットの店舗と比較すると、酒類・飲料の構成比が高く、催事のスペースが減っているようだ。

 調味料、乾物、カップ麺はNBの売れ筋を中心とした堅実な商品構成で、扱い商品も多い。酒類はビール系飲料や焼酎などは丸々1レーンを使って売場を展開。日本酒は18尺で、一升瓶の「獺祭」「八海山」や地酒など103本、焼酎も18尺で、「佐藤」「魔王」「二階堂」など一升瓶123本を陳列しており、地域一番の品揃えだ。ワインは399~1000円の価格帯をメインに品揃え。エンドではフルボトルワインをフランス産が699円と750円、イタリア産を448円で販売する。

 飲料も重点カテゴリーで、ケース販売を重視する。売れ筋のNB商品がベースだが、水は「友舛飲料・蛍の郷の天然水2ℓ」、「LDC・自然の恵み天然水2ℓ」(69円、6本359円)などの扱いもあった。菓子は売場スペース構成比は全体の6%とコンパクトな売場で、催事は日替わり特売や店内独自の訴求品を展開。調査日は「伊藤園・お~いお茶濃い茶600mℓ」(69円)など3品目を訴求していた。

売場の「深化」とは

 本稿前編で、三芳店はフーコット4号店「深谷店(埼玉県)」をさらに「深化」させた店舗であると述べた。「フーコット」の特徴はローコストオペレーションである。今回の調査中、週末朝に店舗を訪れ並んで入店したところ、売場で見かけたのはレジとサービスカウンター、青果作業場の担当だけで、平場ではスタッフは見られなかった。それでも生鮮・日配は完全に補充された状態で、午前中は平場の催事を補充するスタッフと商品管をチェックするスタッフしか売場にいなかった。

 また、販売では「売り切れ御免」が徹底されている。一般的に、スーパーマーケットの業界人は「欠品は罪悪だ」という感覚が染染み付いている。従業員が「売り切れ御免」へと意識を変えるには時間がかかったと推察されるが、5店目の三芳店では自然に実践できているように見えた。こうした売場の「深化」により、フーコットは出店にはずみをつけることができるか。引き続き業界人注目のフォーマットであることは間違いない。

(店舗概要)
所在地 埼玉県入間郡三芳町大字竹町沢381-6
開店日 2024年1月23日
売場面積 3428㎡(1038坪)
営業時間 10:00~7:00
駐車台数 296台

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