大型店ひしめく激戦地で際立つ圧倒的安さ! 「ロピアフレスポ桜井店」の売場を解説

矢野清嗣
Pocket

関西の買物習慣はロピアに合う?

 前編で述べた通り、桜井店の周辺には「トライアルスーパーセンター桜井栗殿店」「オークワスーパーセンター桜井店」「イオン桜井店」「ラ・ムー桜井店」と大型店4店が店を構えており、ロピアも出店時には「競合を考えると厳しいマーケットだ」と踏んだはずだ。しかし開店後は想定外の来店客数が押し寄せた。

 調査期間中、桜井店では臨時駐車場を拡大したが、週末は満車状態となっていた。ナンバーをみると「奈良」と「飛鳥」(橿原市、明日香村など5市町村)が9割を占めているが「三重」「和泉」なども見かける。三重県名張市に住む50代の夫婦は「この商業施設は何でもそろう。ロピアに来た」と話してくれた。

 想定外の混雑でスタッフの商品補充が間に合わず、日曜日の午後には菓子の大袋や売れ筋の欠品が多く見られた。発注以上の売れ行きで商品管理まで手が回らず売場は乱れていた。

 競合各店も緊張感を持って対応し、品切れもなく価格対応も行っているが、有効なロピア対策は取れず、現状維持に全力を傾けている感じだ。ロピアの勢いが収まるのをじっと待っているように映る。

大黒天物産(岡山県、大賀昭司社長)が展開する24時間営業のディスカウントスーパー「ラ・ムー」は県道14号線を挟んだ目と鼻の先にあり、価格も健闘している

 開店して60日も経過しているるにも関わらず、この混雑ぶりには驚かされる。最近はロピアがTV番組で取り上げられる機会が増えており、客動員に大きな効果をもたらしているのだろう。

 また、関西地区では首都圏、中京、九州地区と比べると、“レジャー感覚”で夫婦も子供連れもそれぞれが買物を楽しんでいるように見える。商品を買うにもお互いの情報を語り、納得してから購入する。ロピアにはその会話に耐える商品が多く、ロピアは関西地区に似合う店であると言えるかもしれない。

(店舗概要)
所在地 奈良県桜井市東新堂520-1 フレスポ桜井C棟
開店日 2023年12月8日
売場面積 約510坪(歩測)
営業時間 10:00~20:00
駐車台数 198台

1 2

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態