堅実に利益を取りにいく!? 「ロピア藤井寺店」売場レポート

矢野清嗣
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たれ、ポン酢、鍋つゆが充実

 加工食品売場のスペース構成比は28%で堺店24%と4%の差が出たが、これはおそらく柱周りの催事スペースの差であるとみられる。売場、前方に即席麺、嗜好飲料、米、飲料、後方に調味料、乾物、缶詰を配置している。

 カップ麺の下段には「サンヨー食品・天下一品」などビッグサイズを置くほか、売れ筋の「日清食品・カップヌードルしょうゆ」(129円、ダイエーは188円)の価格訴求が目を引く。袋麺では「サンヨー食品・サッポロ一番5袋」(399円、ダイエー398円)と競合を意識した価格設定となっている

 レギュラー珈琲では、大阪市のコーヒー専門店である「高尾珈琲」の「関西ブレンド180g」(499円)や「京都プレミアム150g」(699円)など2段で5品目を扱う。米は開店記念で茨城県産の「虹のきらめき11kg」(2222円)を販売する。

 調味料では、たれ、ポン酢、鍋つゆを充実させている。たれは3尺1本でグループ企業の丸越醸造を13品目、「日本食研・肉おろし」などNB3品目を陳列。ポン酢は関西ということもあってか、6尺43品目と力入れており、レギュラー商品は丸越醸造のほか「Mizkan」を軸に17品目を揃える。こだわりは地元の「ひろた」、「旭食品」をはじめ、「フンドーキン」「馬路村」「寺岡家」など各地の銘品を扱う。鍋つゆは12尺7段で約90品目を扱い、「Mizkan・キムチ鍋つゆ750g」(259円)、「ベル食品・キムチ鍋つゆ750g」(279円)など3袋555円(一部除外商品あり)で販売。

加工食品売場のオリジナル商品。「にんにくぽんず」はグループ会社の丸越醸造が製造

 酒類の売場スペース構成比は6%。コンドラ3列で売場を展開する。軸はビール系飲料で「アサヒビール・スーパードライ350mℓ6缶」(968円)、「サントリー・金麦350mℓ×6缶」(735円)と安い。缶チューハイは27尺で下段に売れ筋のケースを配置。日本酒は「久保田」「浦霞」「剣菱」「加茂鶴」など全国の銘酒をそろえ、焼酎はプレミアムの「佐藤」を軸に「黒霧島」など1000円前後の売れ筋商品で構成した。

 ワインは27尺。国産ワインとスパークリングワインは各3尺1本と絞った展開で、輸入ワインは21尺で価格別に陳列する。直輸入ワインで下段で399~599円、下2~3段に699~1700円など1000円前後の品揃えが充実しているが、以前ほどの販促は行っていないようだ。その代わりに力を入れているのが果実酒で、「チョーヤ」を軸に「サントリー」の高価格帯の扱いもみられた。

 菓子売場のスペース構成比は7%。売場は後方の左側2レーンで展開sる。目立ったのはグミと菓子大袋で、グミは12尺で輸入品と国産に分け、国産を軸に5個500円で販売し、多くの客が買い求めていた。大袋菓子は24尺7段に約66品目を扱う。一部除外品はあるが、3個500円で販売。売れ筋の「ロッテ・チョコパイ9個」(259円)、「不二家・カントリーマアム19個」(279円)、「江崎グリコ・神戸ローストショコラ170g」(259円)などがよく売れていた。

ららぽーと堺店とは相互に補完し合う

 関西地区の店舗の多くはは居抜き出店であり、どの店舗も構造的に制約があり、レイアウトづくりには苦労していると思われる。その点、藤井寺店はロピアの標準スタイルに近く、精肉を絶対的存在とした生鮮ゾーンがうまく演出されている印象だ。売場演出も巧みであり、競合店と比べると強さが際立っている。この精肉売場の空気が客を引き付けているのは間違いない。

近鉄南大阪線「藤井寺」駅のホームに掲げた広告では「お肉屋さん出身」と肉を前面に出してアピール

 藤井寺店は「ららぽーと堺店」と直線距離で約10㎞しか離れておらず、両店は互いを補完する関係であるように筆者の目には映った。その中で、この藤井寺店は「攻める店舗」というよりは、堅実に利益が取ろうとしているような印象だ。扱いがないことが多い「明治・ブルガリアヨーグルト400g」や「味の素冷凍食品・ギョーザ12個」といったトップNBを揃えていたのが印象的だった、「売れる商品を堅実に売る」という姿勢が伝わってくる。

(店舗概要)
所在地 大阪府藤井寺市岡2-8-41 ソリヤ2階
開店日 2023年11月10日
売場面積 約530坪(歩測)
営業時間 10:00~21:45
駐車台数 300台

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