メニュー

競合はどう迎え撃つ?! ロピア九州3号店「北九州リバーウォーク店」の売場を解説!

ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)が昨年10月31日に出店した「ロピア北九州リバーウォーク店」(福岡県北九州市、以下、北九州店)。ロピアの進出を受け、地元のスーパーマーケット(SM)も対抗策に乗り出している。前編では生鮮4部門の売場をレポートした。後編は日配・加工食品などの売場と競合店のロピア対策をレポートする。
調査日=2023年11月26、27、28日 ※本文中の価格はとくに断りがない場合は本体価格

ロピア北九州リバーウォーク店の外観。商業施設内の地下1階部分にある

売れる商品と売りたい商品が明確に

 北九州店の日配売場は売場スペース構成比で20%。昨年6月に開店した「博多ヨドバシ店」は19%、同8月に開いた「福岡新宮店」は24%であり、博多ヨドバシ店に近い構成比となっている。

 正面壁面では、乳製品やサラダ関連を32尺で展開。和日配は72尺。チルド飲料は両壁面にあり、壁側に牛乳、果汁、豆乳を、平場にはヨーグルトやスイーツを配置している。アイスクリームと冷凍食品は2尺のリーチインケース×29扉と平台冷凍ケース88尺で展開。開店から1カ月間は一部を除き6割引きで販売していた。

 冷凍食品では弁当食材を18尺で105品目を扱う。餃子は599円と699円を軸に13品目を展開しており、「味の素」「大阪王将」の扱いはなかった。麺類はリーチインケースで販売。パスタは10品目で「オーマイビッグ」6品目、「日清フーズ」4品目に絞った。オリジナル商品群の扱い多く、自社開発商品を売るというスタイルが明確となっている。

 アイスクリームも個食は8尺・18品目、マルチパックはリーチインケース8尺・47品目に絞ったが、プレミアムアイスには力を入れているようだ。ヨーグルトは「九州乳業・みどり 腸まで届くN-1、400g」(109円)をメーンに販売し、「明治・ブルガリアヨーグルト」の扱いはない。無調整牛乳は岡山市の「梶原乳業・酪農牛乳1ℓ」(189円)、「九州乳業・みどり牛乳1ℓ」(199円)、「明治・おいしい牛乳1ℓ」(239円)を展開していた。

 和日配では、壁面8尺5段で大阪鶴橋・高麗食品「黄さんキムチ」24品目のほか、「中華くらげキムチ300g」など13品目を3パック999円で販売。つくだ煮コーナーでは地元の「紀豊庵」の「ごま高菜」(199円)、「辛子明太高菜」(299円)など6品目を導入した。和日配も商品を絞って、「売りたい商品」と「売れる商品」で売場が構成されている。

加工食品売場は地場商品を強化

 加工食品の売場スペース構成比は23%、酒類は5%。「福岡新宮店」と比較すると、加工食品は同じ、酒は3ポイント低い。酒類は飲料と売場が分離されており、ワインは18尺、ウイスキーは12尺で展開。ビール系飲料と缶チューハイを軸にした構成になっている。価格は「アサヒビール・スーパードライ350mℓ×6」(975円)、「サントリー・角700mℓ」(1440円)、「三岳酒造・三岳900mℓ」(1199円)。ワインは直輸入商品の399~699円など1000円以下の商品が充実している。

 加工食品売場は通常のスーパーマーケットのスタイルで新たな提案売場はとくに見られなかった。みそやしょうゆ、たれなどは「フンドーキン」「マルエ」「ニシビ醤油」といった地場商品を重視している。自社系列の丸越醸造の商品も定番に収め、ナショナルブランドの売れ筋商品とうまくかみ合った配置になっている。このスタイルが自然で商品が落ち着いて見え、売場に安定感をもたらしている。

 売れ筋商品は「ハウス食品・バーモントカレー230g」(199円)、「日清食品・カップヌードル」(139円)、「マルコメ・料亭の味750g」(299円)、「キユーピー・マヨネーズ450g」(259円)など、ほかのチェーンと比較しても安く、「ロピアは安い」というイメージを植え付けている。

 菓子の売場スペース構成比は9%。「福岡新宮店」の10%と差はないが、位置取りが異なっており、店の奥側に配置している。商品構成などはオーソドックスではあるものの、珍味や米菓が目立たないため、販売は苦労しているかもしれない。催事もレジ前とパン売場付近だけの展開で、露出度が低い。このハンデをどう克服するのかに注目したい。

地元競合店は野菜の価格で対抗

 北九州店があるJR「小倉」駅南口には商業施設が多く、駅ビルのほか、かつて「小倉そごう」だった複合型ショッピングセンター(SC)「セントシティ」があり、その地下には食品を中心にした県内のディスカウントSM「ルミエール小倉駅前店」が店を構える。月曜に同店を訪れると、多くのお客が集まっていた。

 利用客の中年主婦に聞くと「ロピアの開店時は空いていたが、最近はお客が戻りつつある。年配者には(ルミエールのほうが)買いやすく、適量で安くて便利だ」と話していた。確かにルミエールの客層を見ると年配者が多く、夕方には勤め帰りと思われるお客や男性単身者の姿が目立った。駅前という好立地で、安さと量目でお客を掴んでいるようだ。

 価格面では、ロピアとルミエールは互いに野菜の売価を合わせ、主導権を争っている。ルミエールでは、野菜はホウレン草(1袋99円)、レタス(1玉79円)、ブロッコリー(1房109円)、白菜(1玉139円)などロピアを下回る価格で販売しており(ルミエールは税込価格)、「後には引けない」というルミエールの強い意欲を感じた。かつては多少雑な面も見られた売場管理もほぼ完璧にできていた。スタッフの売場内できびきびと動いており、売場には緊張感が漂っている。

 23年11月22日には、福岡県筑紫野市に「ロピア筑紫野シュロアモール店」が開店しており、同店は「ルミエール筑紫野店」と隣り合わせの立地で、九州における両チェーンの競争が激化の様相だ

 そのほか、今回の調査では、小倉城から徒歩約15分の場所、マンションが立ち並ぶ住宅街で道路を挟んで対峙する「西鉄ストア スピナマート大手町店」と地元ハローデイの「ハローパーク大手町店」も訪ねてみた。両店とも万全の商品管理がなされており、ロピア対策なのか、野菜の価格訴求も徹底されていた。

 これまで筆者は多くのロピアの店舗とその競合店を調査しているが、ロピア対策に妙案はないが、カギとなるのは現在来店しているお客をどうつなぎとめるかどうかという点だ。基本となるのは、スーパーマーケットのメーン客層である年配者の生活に合った適量の商品を買える店であるということだろう。自店の強さを主張し、売りたい商品をアピールするという地道な戦いでもある。ロピアの進出によって、地場のチェーンは多少若い世代の流出は覚悟しなければならないが、影響をいかに最小限に食い止めるか、現場力が試されることになろう。

(店舗概要)
所在地 福岡県北九州市小倉北区室町1-1-1 リバーウォーク北九州 地下1階
開店日 2023年10月31日
売場面積 約530坪(歩測)
営業時間 10:00~20:00
駐車台数 800台