競合はどう迎え撃つ?! ロピア九州3号店「北九州リバーウォーク店」の売場を解説!

矢野清嗣
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地元競合店は野菜の価格で対抗

 北九州店があるJR「小倉」駅南口には商業施設が多く、駅ビルのほか、かつて「小倉そごう」だった複合型ショッピングセンター(SC)「セントシティ」があり、その地下には食品を中心にした県内のディスカウントSM「ルミエール小倉駅前店」が店を構える。月曜に同店を訪れると、多くのお客が集まっていた。

 利用客の中年主婦に聞くと「ロピアの開店時は空いていたが、最近はお客が戻りつつある。年配者には(ルミエールのほうが)買いやすく、適量で安くて便利だ」と話していた。確かにルミエールの客層を見ると年配者が多く、夕方には勤め帰りと思われるお客や男性単身者の姿が目立った。駅前という好立地で、安さと量目でお客を掴んでいるようだ。

 価格面では、ロピアとルミエールは互いに野菜の売価を合わせ、主導権を争っている。ルミエールでは、野菜はホウレン草(1袋99円)、レタス(1玉79円)、ブロッコリー(1房109円)、白菜(1玉139円)などロピアを下回る価格で販売しており(ルミエールは税込価格)、「後には引けない」というルミエールの強い意欲を感じた。かつては多少雑な面も見られた売場管理もほぼ完璧にできていた。スタッフの売場内できびきびと動いており、売場には緊張感が漂っている。

 23年11月22日には、福岡県筑紫野市に「ロピア筑紫野シュロアモール店」が開店しており、同店は「ルミエール筑紫野店」と隣り合わせの立地で、九州における両チェーンの競争が激化の様相だ

 そのほか、今回の調査では、小倉城から徒歩約15分の場所、マンションが立ち並ぶ住宅街で道路を挟んで対峙する「西鉄ストア スピナマート大手町店」と地元ハローデイの「ハローパーク大手町店」も訪ねてみた。両店とも万全の商品管理がなされており、ロピア対策なのか、野菜の価格訴求も徹底されていた。

 これまで筆者は多くのロピアの店舗とその競合店を調査しているが、ロピア対策に妙案はないが、カギとなるのは現在来店しているお客をどうつなぎとめるかどうかという点だ。基本となるのは、スーパーマーケットのメーン客層である年配者の生活に合った適量の商品を買える店であるということだろう。自店の強さを主張し、売りたい商品をアピールするという地道な戦いでもある。ロピアの進出によって、地場のチェーンは多少若い世代の流出は覚悟しなければならないが、影響をいかに最小限に食い止めるか、現場力が試されることになろう。

(店舗概要)
所在地 福岡県北九州市小倉北区室町1-1-1 リバーウォーク北九州 地下1階
開店日 2023年10月31日
売場面積 約530坪(歩測)
営業時間 10:00~20:00
駐車台数 800台

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