秋田県5年ぶりの新店「イオンスタイル山王」に見る、イオン東北の”地域密着型MD”の最前線
イオン東北(秋田県/辻雅信社長)は3月20日、秋田県秋田市に「イオンスタイル山王」をオープンした。県内では5年ぶりの新規出店となった同店は、直営の食品スーパーに専門店を組み合わせた新たなフォーマットを試行する。商品政策(MD)では、総菜・ベーカリー商品や生鮮食品など各カテゴリーで“地元色”を強く打ち出すなど、地域のニーズをくみ取ったユニークな取り組みがみられた。イオンスタイル山王のMDについて、写真を中心に紹介する。※文中の価格は税抜
地域ニーズを徹底的に分析しMDを構築

イオンスタイル山王は、JR「秋田」駅の西約3kmに位置する。店舗は2フロア構造で、1階に食品スーパー、2階には「無印良品」や「サイゼリヤ」のほか、Jリーグ2部に所属する「ブラウブリッツ秋田」のファンショップなどの専門店が出店している。
店舗周辺は県庁や市役所など官公庁が集まるほか、店の向かい側にはブラウブリッツ秋田の本拠地である「ソユースタジアム」や体育館などのスポーツ施設が並ぶ。30~40代の共働き世帯や単身者が多いエリアで、「人口の減少率が低く、今後のにぎわいが期待できる」(辻社長)。クルマで10分圏内には約1万7000世帯、/約3万4000人が居住している。
店のコンセプトは「秋田の食の中心地」。新規出店にあたり、辻社長は「地域のニーズを徹底的に研究した」と振り返る。近隣にはランチや買物が手軽にできる店舗が少なく、Jリーグの試合が行われる際も軽食を購入する場が欲しいといったサッカーファンの要望なども取り入れ、総菜や弁当、ベーカリーなど即食商品を強化。また、仕事帰りの利用も見込み、簡便商品も充実させた。