競合ひしめく駅前激戦区に新規オープン! 「オオゼキ調布店」の売場を徹底解説!
オオゼキ(東京都/石原坂潤社長)は2023年4月1日、調布市内2店舗目となる「オオゼキ調布店(以下、調布店)」をオープンした。出店地は、「調布」駅前広場そばにあったパチンコ店の跡地で、地元Webメディアによると1、2階合わせての売場面積は約230坪となっている。今回はオオゼキ調布店の売場づくりや競合対策について分析してみた。
調布駅前の激戦区に出店!
「調布」駅は京王線の特急停車駅で、「新宿」駅から15分と抜群のアクセスを誇る。「調布」駅自体においても2012年に京王線の地下化が行われ、そこから段階的に駅前周辺が整備され、商業機能の充実が図られている。
駅前には「調布パルコ」があり、デパ地下系の生鮮専門店が出店している。また、少し足を延ばせば「東急ストア」「オーケー」、「業務スーパー」などある。オオゼキ調布店の最大の競合となっているのは駅前広場を取り囲むように立地する商業施設「トリエ京王調布」内にある「成城石井」である。
2017年にオープンした同店は、当時注目されていた「グローサラント」を掲げ、生鮮販売を強化し、レストランを併設している形態を現在も維持している。このように競合がかなり激しいエリアの中で、オオゼキはどのように競争力を発揮しようとしているのか。売場を見ていこう。
2フロアからなる調布店の売場レイアウトは、1階が青果、総菜、酒、飲料、冷凍食品、2階が精肉、鮮魚、日配、加工食品となっている。出入口は入場用と出場用とで分けられており、ワンウェイスタイルである。2階へ上がるには1人乗りの横幅の狭いエスカレーター、もしくはエレベーターの使用となり、回遊性を向上させるにはかなりの工夫が必要である。生鮮部門を1フロアでまとめるのではなく、最大の集客部門である青果と、青果の次に購入頻度の高い日配を加えた精肉、鮮魚とに分けてフロアレイアウトを組み立てているのが、この店の特徴の一つともいえる。
入口周辺の手前道路は車が通行しており、思い切った突き出し陳列ができない。そのため単品訴求をねらった1本100円のトウモロコシ、500円のトマトの大パック、メロンや梅の拡販など、まずは衝動買いで来店客の購入動機を高める仕掛けを行っている。
店内に入ると、オオゼキでは珍しい試食販売を実施していたのも特徴的だった(視察当日はアメリカンチェリー)。オープン時の報道で「(中略)可能な限り試食販売を増やし、試食しながら品揃えにも目を向けてもらいたい(以下略)。」とあったことから、集客力強化のために継続的に取り組んでいる様子がうかがえた。