宇都宮駅近くに出店! ヨークベニマルの最新都市型小型フォーマットを最速レポート
“生鮮・デリカ一体型”の売場配置を採用
売場づくりにおいても、ほかの店舗では見られない試みが見られた。
ヨークベニマルの既存店舗では、入口から続く主通路に青果・鮮魚・精肉・総菜・インストアベーカリーという順に売場を展開しているケースが多いが、今泉店ではメーン入口から続く広めのコンコースに青果と総菜、インストアベーカリーを並べ、和日配を挟んで奥側壁面に鮮魚と精肉を配置(売場フロア図参照)。首都圏のチェーンの新店でも見られる、“生鮮・デリカ一体型”の売場配置を採用している。
正面から見て店舗左側で展開する“生鮮ゾーン”では、平台を多用しており、総菜・鮮魚・精肉のガラス張りのオープンキッチンとも相まって、開放感あふれる売場となっている。コンパクトな売場でも、強みとする生鮮食品を前面に打ち出したいというねらいが垣間見える。店舗右側では、冷凍食品や酒類、洋日配などの売場を展開する。
商品政策においては、ヨークベニマルが得意とするきめ細やかな地域対応が随所で見られ、青果売場では平台エンドで「栃木県産生椎茸」を大きくアピール、精肉売場では同社オリジナルの「前日光和牛」を訴求するほか、和日配では「栃木の豆腐」「栃木の納豆」などのコーナーを設けている。総菜売場でも、栃木県で親しまれている「いもフライ」などをラインアップするなどの対応も見られた。
近年のヨークベニマルの動向を見ると、茨城県や栃木県への出店が目立つ。なかでも、今回の宇都宮地区、茨城県のつくば地区など人口が集中するエリアでのドミナント形成に注力している様子が窺え、そうした戦略の中では、今泉店のような、機動的な出店が可能な都市型小型フォーマットが重要となる。生鮮・デリカ一体型の売場づくりに挑戦した今泉店は、ヨークベニマルの多くの既存店舗と同じようにお客の支持を集めることができるか。いずれにせよ、この今泉店が2021年の注目店舗に名を連ねるのは間違いなさそうだ。
(店舗概要)
店名 ヨークベニマル今泉店
店長 近藤圭一
営業時間 9:30~21:30
敷地面積 5928㎡(1793坪)
売り場面積 1287㎡(389坪)
構造 鉄骨造・平屋建て
駐車台数 50台
駐輪台数 36台
年商見込 10億円
従業員数 100人(正社員7人、地元採用者93人)