結局、“ロピアらしさ”とは何か? 「昭島アクロスプラザ店」の売場を解説(総菜・精肉編)

榎本 博之(経営コンサルタント事務所 アズライト代表)

 加工食品はアイテム数を絞りPB商品をボリューム陳列

 加工食品は、売場の各所にPB商品が並べられ、存在感を放っている。エンド部分や特設コーナーは、とくに拡販にシフトしている。取扱商品を絞り込み、PB商品をボリューム陳列にすることで、品揃えの独自化をねらう意図が見える。定番コーナーでも、フェース数を確保したPB商品の陳列が随所に見られた。各チェーンが利益確保と差別化を目的にPB商品の販売を強化しているが、ロピアを運営するOICグループもスピード感をもって取り組んでいるようだ。今後、品揃えのバランスの変化が利用客の購買行動にどう影響するのか注目していきたい。

 日配は、需要喚起を図る仕掛けが見られる。たとえば、サラダコーナーではプライベートブランド(PB)のドレッシングの売り込みが目立つ。また、ヨーグルトは下段でバンドル販売を実施。中段ではカットフルーツやスイーツの関連販売を行っている。加えて、トップメーカーの商品は扱わないなど、普段と異なる売場構成が印象に残る。

  そのほか昭島店では、レジを抜けた先のサッカー台付近に、直営のピザと餃子のテナントを設置している。テイクアウト用のバイオーダー対応に加え、総菜部門の商品加工と調理を担っている。出口付近にはイートインコーナーを設け、店内飲食に対応している。同店がワンウェイコントロールになっているのは、店内飲食の利用客との動線が混乱しないようにレイアウトを区分しているためと考えられる。

新設店舗である昭島店からわかるロピアらしさ

 昭島店では、青果から鮮魚にかけて売場に変化をつけるレイアウトをあえて取り入れている。居抜き店舗での出店が多く、既存の空間に合わせて売場を構成することが一般的なロピアにとって、新設店舗でのこうした工夫は注目に値する。また、面白さや発見をもたらす演出も随所に見られ、付加価値を高める取り組みが際立っていた。このようなロピア独自の売場づくりが、競合店との差別化する要素になっているといえる。

 さらに、少量・小分けといった要素も積極的に取り入れているほか、量り売りや小容量アイテムといった従来のロピアでは見られなかった取り組みが首都圏店舗では始まっている。広域商圏からのまとめ買い需要への対応に加え、ファミリー層から高齢層への客層拡大、そして、来店頻度の向上のための工夫が、今後の出店戦略におけるカギとなりそうだ。

(店舗概要)
所在地  東京都昭島市武蔵野2-11-40アクロスプラザ昭島1
開店日  2025327
営業時間 10:0020:00
駐車台数 1300台(共用)
駐輪台数 50台(共用)

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