最大規模の旗艦店「Alpen TOKYO」で都心本格進出を果たすアルペンの狙いと勝算
コロナ禍に首都圏進出を決断した納得の理由
同社がこの場所に収まったのは、昨今の業績と擦り合わせればなんの不思議もない。2022年6月期第2四半期(2021年7月1日~2021年12月31日)の同社決算は売上高1129億円、営業利益59億1500万円、経常利益が68億5500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は43億3300万円と過去最高水準に近い数字をキープしている。
コロナ禍に増大したゴルフ人口を取り込んだことに加え、注力したECも落ち込みをカバーする売上となり、好調を牽引している。
同社を古くから知るユーザーにとっては、そのイメージはウインタースポーツに強いスポーツチェーンであり、出店は郊外中心というものかもしれない。だが、昨今の主流はゴルフや一般スポーツであり、さらにアウトドアやアパレルも展開。むしろ冬スポーツは取扱部門としては数%に過ぎず、縮小傾向にある。
EC分野でもリアルとの融合をテーマに強化を進め、この春にはオンラインフィットネスをスタートするなど、先進的な取り組みも積極的に導入しており、かつてのイメージとは様変わりしている。
こうした「新しいアルペン」を認知させる上でも、東京都心進出は大きな意味がある。三浦氏は「より多くの人が行き交うこの場所に出店することで、アルペンがどんな会社なのか、当社のことをよく知らない若い人にも知ってもらうきっかけになれば」と言い、ブランディング面での波及効果にも期待する。