ダイヤモンド・リテール・カンファレンス2014開催レポート
オムニチャネル・コマースのネクストステージ
注目企業の実践アプローチと成長を支えるIT戦略
競争優位を築くためのオムニチャネル差別化戦略
企業ごとに異なるチェンジドライバーを考慮すべき
SAPのビジョンは業界に参入した17年前から「小売業のビジネストランスフォーメーションを迅速に実現できるか」という点。小売企業のデジタル化は、①チャネル効率を上げる②インサイト力を上げる③マーケティング効率を上げる④既存ビジネスを合理化する、の4つのチャレンジに分類できる。ただ、企業毎に既存顧客や規模、取扱い商材と既存資産も異なるため、つまりチェンジドライバー(変革する理由)が異なる。そのため、優先すべきチャレンジも異なることになる。普遍的な点は、それがどのチャレンジに関連することであっても、その改善サイクルを着実に回さないと、(継続的に)ユーザーエクスペリエンスと経済性を両立させる事が難しい。そのため、SAPは企業のチェンジドライバーに応じたロードマップを描き、それらを短サイクルで実現し続けることが重要だと考えている。これが、SAPが小売業向けのEnd-to-Endソリューションを提供し続けている本質的な理由であった。
ハイブリスは真のオムニチャネル化を実現するプラットフォーム
ハイブリスジャパンは流通業を筆頭に様々な業種向けにECシステムやオムニチャネル・コマースのソリューションを提供している。ちょうど1年前の13年8月にSAPの傘下に入った。我々のソリューションは、規模を問わず、B2C、B2Bならびにあらゆる仕組みを組み合わせたハイブリッドなコマースを実現する。これまで採用実績の半数以上は小売・流通業であることから見ても、変革の多い業界で支持されていることがわかる。また、全体実績の4割は、SAPのソリューションを活用しており、SAPとの親和性の高さも特徴として挙げられるだろう。
常に進化・変化し続ける運用環境に対して、様々なタッチポイントでの利用を可能とし(先進性)、個社固有施策に対する柔軟性と即時性、既存システムとの連携を含めた開発フレームワークを提供することで実現スピードを確保できる(包括性)ことが最大の特徴である。また、トラフィックやデータ容量が多いサービスに対応した、高いパフォーマンスのフレームワークを提供している。このフレームワークによりオムニチャネル化の中で、最先端のユーザーエクスペリエンスをあらゆるチャネルで提供することで購入率と収益の最大化につなげ、最適化されたプロセスと生産性向上はTCO削減につなげることも可能になる。
ハイブリスは真のオムニチャネル・コマースを構築できるプラットフォームであり、すでに日本企業ではブリヂストンやニコンなども欧州で導入するなど、ワールドワイドに展開する有名企業500社以上が導入しているプラットフォームとなっている。